内容説明
「フランス・イデオロギー」とは何か。「人権」や「自由・平等・友愛」はフランス共和政の国家イデオロギーであった。フランス革命以降に形成された国民国家の諸装置や文明・文化概念は、68年の五月革命や89年以後のヨーロッパ統合=グローバル化の中で、どのような葛藤を経験し変容を迫られているか。ポスト国民国家の時代に向けた「フランス」の大胆な脱構築、衝撃のフランス論。
目次
フランス文化への疑い
フランス・イデオロギーをめぐって
パリ・1968年5月の記録
1968年5月 壁の言葉
革命200年のパリ、そして日本
フランス革命の功罪
フランス革命200年とリン・ハント
ハイチ革命とフランス革命
ナショナリティ概念をこえて―欧州連合とポスト国民国家時代の可能性
多文化主義の観点からみたヨーロッパ統合―地域と移民の問題を中心に
欧州連合と文化摩擦
多文化主義とアジア
現代における「翻訳」の問題―いま仏和辞典を作ることは何を意味するか
フランス的明晰とは何か―言語と精神