出版社内容情報
日常につましく生きる人びとの喜びや悲しみにチェーホフは人一倍敏感だった。没後百年、作品と足跡を追い、その人間像を描く。
内容説明
没後100年、現代に生きるチェーホフ。しなやかな眼で現実を見つめ、苦しむ人びとの声を聴いたチェーホフ。愛と自由、サハリン行、シモーヌ・ヴェーユとのつながり、農民の世界…心洗われるチェーホフ像。
目次
チェーホフが求めた自由―奴隷から「ほんとうの人間」へ
家庭とは―兄の結婚、妹のこと
ユニークな女友だち―『三年』のラッスーヂナとクンダーソヴァ
囚人の島サハリンへ
メーリホヴォ村の変わった地主
チェーホフとシモーヌ・ヴェーユ
農民の世界から―『谷間』の無垢な娘
貧しい農婦と使徒ペテロ―『学生』の母娘
自由をめぐる三部作―『箱に入った男』『すぐり』『愛について』
『犬を連れた奥さん』―「箱」からの解放
結婚―大きな人間
(付)チェーホフ旦那の思い出(農民の回想)
著者等紹介
渡辺聡子[ワタナベトシコ]
1953年生まれ。京都大学文学部卒業後、定時制通信制高校で国語を教えながら、大阪外国語大学と同大学院でロシア文学を学ぶ。現在関西の諸大学で非常勤講師として働く
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