感想・レビュー
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おたま
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サルトルが亡くなるまでの10年間を回想した『別れの儀式』と、サルトルとボーヴォワールの対話(1974年8月~9月)が収められている。『別れの儀式』では、老いて、次第に思考や活動が困難になっていくサルトルの姿も隠すところなく、書き綴っている。だが、なおそれでも前進しようとするサルトルがいて、希望も感じさせてくれる。サルトルが亡くなったとき、5万人もの人々が沿道を埋め尽くしたという。「私たち二人の生が、こんなにも長い間共鳴し合えたこと、それだけですでにすばらしいことなのだ」という最後の言葉が胸を打つ。2022/01/31