内容説明
かつて芸術と美術館は作品を永遠化することを志向した。しかし現代では、デジタル化とインターネットにより、作品の制作、流通、鑑賞にいたるまで、すべての形態は流動化し、絶え間ない流れ(フロー)に晒されている。この状況において、アートはいかなる姿に変貌を遂げたのか。世界で最も注目を集める美術批評家グロイスによる、待望の現代アート論。
目次
流れに入る
理論の眼差しのもとで
アート・アクティヴィズムについて
革命的になること―カジミール・マレーヴィチについて
共産主義を設置する
クレメント・グリーンバーグ―芸術のエンジニア
リアリズムについて
グローバル・コンセプチュアリズム再訪
近代と同時代性―機械複製とデジタル複製
グーグル―文法を超えた単語
ウィキリークス―知識人の抵抗、もしくは陰謀としての普遍性
インターネット上のアート
著者等紹介
グロイス,ボリス[グロイス,ボリス] [Groys,Boris]
1947年、東ドイツ生まれ。美術批評家。現在、ニューヨーク大学特別教授。レニングラード大学に学んだ後、批評活動を開始。1981年に西ドイツへ亡命。ロシア、ヨーロッパ、米国をまたぐ旺盛な活動で知られる
河村彩[カワムラアヤ]
1979年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(博士)。現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院助教。専攻は、ロシア・ソヴィエト文化、近現代美術、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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