出版社内容情報
フランス、イタリア、ロシア、ドイツ、アメリカ、日本の膨大な数のフィルムをたどり、映画揺籃期を映し出す。
「芸術」としての映画が興隆した1910年代。映画史のベル・エポック期に演劇、オペラ、美術、文学など他の芸術ジャンルとせめぎあいながら、映画は自らの固有性をどのように模索していったのか。「映画」という新たな形式へ。世紀転換期からモダニズムにおける映画と芸術の交流に迫る労作。
序章 二〇世紀初頭における「映画」と「芸術」の交流
1 「映画」とは何か
2 映画史のベル・エポック
3 一九一〇年代映画の形式----初期映画から古典的映画への移行期として
4 空間演出・空間認識の変遷
5 本書の構成
第1章 映画と演劇----沈黙の、雄弁なメロドラマ
1 演劇から映画へ
2 映画女優の演技
第2章 映画と美術----スクリーンにおける空間の画家
1 革命前のロシア映画
2 演劇人時代のバウエル
3 映画における空間の美学
4 移動するパースペクティヴ
第3章 映画と文学---ナショナル・シネマの生成
1 フランスにおける文学作品の映画化
2 ドイツ作家映画
3 イタリア文芸・史劇映画の国際性
4 イタリア歴史劇映画の流行
第4章 映画と大衆芸能----語り芸・新派劇から活動寫眞へ
1 講談から旧劇映画へ
2 連鎖劇---映画と演劇の「畸形児」
3 女形俳優と初期女優の演技形式
第5章 日本映画の近代化---外国映画との対峙
1 大正初期日本映画のダイナミズム
2 ヨーロッパ映画からの影響--第一次世界大戦前
3 アメリカ映画への覇権の移行---第一次大戦中・戦後
4 新派的類型からの脱皮---日活向島の革新者たち
終章 「芸術」としての映画の終焉
1 映画史と第一次世界大戦
2 プロパガンダ映画の発生
3 アヴァンギャルドとモダニズム
【著者紹介】
小川佐和子(おがわ・さわこ) 1985年生まれ。早稲田大学文学研究科演劇映像学コース博士課程単位取得満期退学。博士(文学)学位取得。現在、京都大学人文科学研究所助手。 主著に「外国映画との対峙」黒沢清他編『日本映画は生きている 第2巻 映画史を読み直す』(岩波書店、2010)など。
内容説明
「芸術」としての映画が興隆した一九一〇年代。映画史のベル・エポック期に演劇、オペラ、美術、文学など他の芸術ジャンルとせめぎあいながら、映画は自らの固有性をどのように模索していったのか。「映画」という新たな形式へ。世紀転換期からモダニズムにおける映画と芸術の交流に迫る労作。
目次
序章 二〇世紀初頭における「映画」と「芸術」の交流
第1章 映画と演劇―沈黙の、雄弁なメロドラマ
第2章 映画と美術―スクリーンにおける空間の画家
第3章 映画と文学―ナショナル・シネマの生成
第4章 大衆芸能と映画―語り芸・新派劇から活動写真へ
第5章 日本映画の近代化―外国映画との対峙
終章 「芸術」としての映画の終焉
著者等紹介
小川佐和子[オガワサワコ]
1985年山梨生まれ。2007年早稲田大学第一文学部美術史学専修卒業。2012年早稲田大学文学研究科演劇映像学コース博士課程単位取得満期退学。博士(文学)学位取得。現在、京都大学人文科学研究所助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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