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連続と断絶―ホワイトヘッドの哲学

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  • サイズ 46判/ページ数 324p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784409031063
  • NDC分類 133.5
  • Cコード C3010

内容説明

孤高の哲学者アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド。事物の有機的連関を重視し、恐るべき密度と宇宙的壮大さを併せ持つその思想は、長らく哲学界の傍流であった。しかし、現在、思弁的実在論、オブジェクト指向哲学など、21世紀の思想潮流のなかで再び注目されている。本書は、これまで事物の連続性が重視されてきたホワイトヘッド哲学に、存在の深き断絶の契機を見出し、ハーマン、メイヤスーとの比較をふまえ、その哲学の全体性と独自性を描き直してゆく。光も届かぬ存在の彼方、想像力の彼方、宇宙の彼方へと哲学を導く、闇の形而上学の誕生。

目次

第1章 連続的な宇宙―実体の哲学から有機体の哲学へ
第2章 実体と関係―オブジェクト指向哲学と有機体の哲学
第3章 生成の起源と終極における断絶―多性と新しさについて
第4章 同時的なものとの断絶―因果的独立について
第5章 未来との断絶―宇宙時代について
第6章 体系を撹乱する実在との断絶―思弁哲学について
結論

著者等紹介

飯盛元章[イイモリモトアキ]
1981年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業、中央大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程修了。博士(哲学)。現在、中央大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bartleby

13
A.N.ホワイトヘッドについての著者の博論。前半のactual entity,抱握,合生といった概念の解説がとても分かりやすい。また、実体の哲学に対する有機体の哲学の整理(カントの相関主義に対する整理)も、思弁的実在論理解を助けてくれる。本書は、あらゆるものに関係を見いだそうとするホワイトヘッド哲学の中にあえて断絶を見いだそうとする目論見をもつ。ハーマンの哲学に接続しながら。actual entityという概念がそもそも、生成しつつ他と断絶している量子的なものだから、そうした解釈も十分できる。2023/10/12

鵐窟庵

9
ホワイトヘッド哲学の存在や関係性の特徴を、現代のOOOとSRとの比較を行い考察。ハーマンが個体主義に対して、ホワイトヘッドは関係主義である。メイヤスーが実在自体を不変の第一原理に提示するのに対して、ホワイトヘッドはその不変性を断言することはできない。最後にホワイトヘッドの体系内には三つの断絶ー共時的、通時的=水平的、垂直的ーはあり、体系自体と実存の深みに一つの断絶があると締め括られる。二者に比べて複雑難解な体系で術語が多く緻密であるが一回原典を読まないと理解が追い付かなくなる。それだけに魅力的なのだろう。2020/06/10

ニッポニテスは中州へ泳ぐ

8
☆=4/5 かつて『なめらかな社会とその敵』という本に提案された社会制度が以下→「個人」という雑で単純な単位を元に社会を考えるのでなく、複雑な関係性ネットワークの中に個人を還元し、その複雑さをそのままに扱う機構。  だがこれに対し山形浩生が反論。「でも面倒な繋がりってみんな嫌いじゃね?」と。美しく有機的な滑らかさは『ハーモニー』の如くべたたした醜いしがらみでもある。社会論・形而上学という分野の違いはあれど、本書で飯盛が行ったのはこれと似ていて→2021/10/14

yu-onore

1
めっちゃ面白い本かつ読みやすい。関係として過去が蓄積されていくような印象の有機体の哲学に対して、切断を想定していく。通時的なモノ同士にある分かり合えなさ(ハーマン的)や、時間を経た結果としての漸次的な科学的法則の変化(メイヤスーに通じるけど急ではない)に基づく過去とミラノ断絶、それゆえの過去と未来の基層となると同時にどちらからも切断された層の想定や、(道具は壊れてもオブジェクト指向的なありようは壊れえないハーマンに対し、)有機体の哲学自体の崩壊の可能性を提示する思弁哲学という方法(思考と実在との距離)。2021/07/23

鴨長石

0
先月読んで「難解すぎてほとんどわからないがとんでもなく凄いことが書いてある」ぐらいしか感想を持てなかった『過程と実在』。それをこれほど分かりやすく解き明かすとは脱帽だ。有機体の哲学を、基本的には強い「連続」の哲学と捉え、そのままではすべてが「一」になってしまうからどのように「断絶」が見出されるか、という観点から論じる。ただ「第四の断絶」だけはやや唐突感があり、もう少し掘り下げた説明が欲しかった。最後に著者がまだ30代で本書が博論を元にしたデビュー作ということを知って驚いた。今後の活躍を期待したい。2020/10/23

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