内容説明
『エチカ』で知られるスピノザの内在の哲学、その起源には14世紀に始まった改宗ユダヤ人『マラーノ』の葛藤状況が存在していた!―異端審問時代のスペイン・ポルトガルに於て密かに育まれた内在の思想が彼の思索生活の中でどのように体系化されていったかを検証するとともに、その哲学がカント、ヘーゲル、ヘス、マルクス、ニーチェ、フロイトらに与えた多大な影響を考察する。
目次
第1部 理性のマラーノ(プロローグ―異端者にして破門されし者;スピノザ、理性のマラーノ;引き裂かれた精神―アムステルダムの新ユダヤ教徒 ほか)
第2部 内在性の冒険(スピノザとカント―宗教批判と聖書解釈学;スピノザとヘーゲル―内在としての神は実体か、精神か?;ハイネ、ヘス、フォイエルバッハにおけるスピノザ―人間の自然化 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
53
四半世紀前に読んだ。スピノザはずっと気になる存在。貧乏して手放してしまった。帰郷して富山の古書店で再会。買ってしまった。富山でも読む人がいることに妙に感激した。そろそろ再読……でもその前にエチカかな。
またの名
12
表向きの敬虔さの裏に隠された強欲と背徳まみれな不忠の世界を描く小説『ラ・セレスティーナ』と同じ二重性が、公には教会に従うフリをせざるを得なかった改宗ユダヤ人に脈々と受け継がれたと語る本書が示すのは、偽装と仮面のスピノザ哲学。真に伝えたいメッセージを理解できる相手には伝わるように、そうでない読者には二重言語により覆い隠して同じ言葉で表現したややこしいスピノザの、異端としての系譜と内在哲学としての系譜を追跡。その系譜はもう一人の仮面の哲学者ニーチェへ続き「隠者よ、私はあなたの正体を見抜いたか?」と自問させる。2018/12/06
兎乃
1
改宗ユダヤ人「マラーノ」の葛藤。2012/04/30
左手爆弾
1
スピノザの思想を「マラーノ」の二重性から読み解き、カントやマルクス等が持つ「内在性」の問題へと突き詰め、1つの系譜を描ききった書。作者の幅広い研究と深い省察により、スピノザが印章に込めた「CAUTE」(注意せよ)の言葉はより深みを増し、現代もなお破門が解けない、あまりにも強烈な存在としてのスピノザが明らかになる。2011/10/08
原明博
0
スピノザ以前、以後。底深く異端とされる宗教、思想の展開を掘り起こし全貌を論じた素晴らしい本。




