感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
6
哲学にはシンパシーが一番大事と聞いたことがあるけれど、僕がサルトルと実存主義が好き(という表現で良いと思う)な理由は『嘔吐』で描かれるロカンタンの吐き気がなんとなく理解できるからだと思う。物がただ物として、自分はただ自分として存在しているということ。今自分自身が触れている世界の不安定さ、この抽象的な世界に包まれていることにより生じる吐き気。狂気に包まれ自己嫌悪に苛まれ、それでもロカンタンのように世界を言語化し世界に向けて自分を開かなければならない。2014/12/31
まどの一哉
1
新訳が出ているようだが旧訳の方を読んだ。 存在とは何か。重要な哲学的テーマを文学の力を借りて表現した代表作。この野心的な試みが全シーンにわたって展開されているわけではなく、有名なマロニエの木の根っこを見て吐き気を催すシーンはかなり哲学的な内容に直接切り込んでいて、そうかと思えば彼女との再会などふつうに小説的だし、混淆した感がある。2018/12/31
wakabon
1
全体が、これから書かれるべき物語のプレフィックスであるかのような本。翻訳の質でだいぶ損しているように思う。鈴木道彦氏の新訳が気になる。2015/04/05
ゆーいちろー
0
個人と社会といういい大人ならばもうとっくに解決してしまっている問題にまだ引っかかっている自分には大変面白い物語であった。「個人」なる思想が日本に輸入された当初、おそらくシェストフがその思想的受け皿だったろう。そしてニーチェだのハイデガーだのを受容して、サルトルが現れる。振り返ると僕は誰に依ってこの問題を考えただろう?そう90年代には「エヴァンゲリオン」があった。では現代の若者は?どんな物語、どんな思想で青年期の疑問を解こうとするのだろうか?それともこんな事柄は今や問題にはならないのだろうか?2017/06/11
hiroki_matsui
0
ほぼ何も理解できないので評価しようがない。これを読み解ける日は来るのだろうか。2016/12/29