出版社内容情報
「ねぼうに注意 なにはともあれ 起きなくてははじまりませんので ねぼうには注意しましょう」
そんな朝の風景からはじまるこの絵本は、日常のなかにひそむ“注意”を、ユーモラスでシニカルに描いた五味太郎の異色作です。
注意することは生きること--
この深い洞察を出発点に、朝から夜までの一日の流れの中で、いろいろな「注意!」をひとつずつ取り上げていきます。けれど、その描かれ方はまじめでも説教くさくもありません。むしろ思わず笑ってしまう軽やかさ。情報過多・ルール過多の時代に、五味太郎は「注意って、そもそもなんだろう?」という問いを投げかけます。
ページをめくるたび、登場するのは自由で表情豊かな女の子。ときに真面目に、ときにのんびり、そしてときどきちょっと皮肉っぽく。彼女のしぐさや表情が、読む人の心の鏡のように映り込みます。絵と言葉が絶妙な呼吸で響き合い、読むたびに違う「注意」が見えてくるはずです。
本書は、五味太郎が自身の子どものために描いた作品が原点。それは、“気をつけること”があふれる現代社会で、私たちが少し肩の力を抜き、「注意」を楽しくとらえ直すための小さな提案でもあります。
明るく軽やかだけど、どこか風刺が効いている--。
それが五味太郎らしさ。子供も大人も、読むたびに笑いながら、自分の暮らしをそっと見つめ直したくなる一冊です。
【目次】
内容説明
注意することは生きること。
著者等紹介
五味太郎[ゴミタロウ]
絵本作家。1945年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。著作は400冊以上にのぼり、世界20カ国以上で翻訳出版されている。『かくしたの だあれ』『たべたの だあれ』でサンケイ児童出版文化賞、『仔牛の春』でボローニャ国際絵本原画展賞、『ぼくは ふね』で日本絵本賞大賞、エッセイ『ときどきの少年』で路傍の石文学賞など、受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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