内容説明
五月の早朝、井の頭公園を散歩中の元厚生省官僚が殺害された。事件は当初、複数の目撃者の証言から、単なる通り魔による殺人事件と思われていたが、翌日正午過ぎ、警視庁に掛かってきた一本の電話が、日本中を震撼させる大事件へと発展させた。電話の主は天誅組と名乗り、「国民を食い物にする薄汚い役人・政治家は国賊と見做し、必ずや天誅を下す。井の頭公園の事件は、始まりに過ぎない」と伝えてきた。そのことば通り、次々と官僚たちが殺されていき、苦慮した警視庁が裏刑事・武田に出動を依頼。だが、犯人たちを追う武田の前に、事件をテロリストの仕業に見せかけたい永田町の黒幕やCIAの影が―。
著者等紹介
広山義慶[ヒロヤマヨシノリ]
昭和12年、大阪市に生まれる。早稲田大学仏文科卒業。フランス語の翻訳、児童文学やTVドラマの脚本執筆など数々の仕事を経て、昭和58年長編社会派推理『夏回帰線』の発表を機に作家業に専念する。官能バイオレンスからピカレスクまで、多数の著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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