内容説明
緑深き峠の写真が招く連続殺人事件。智美の夫・新保公司の経営する会社が不況のあおりで業績不振となって以来、“喰い屋”と呼ばれる経済やくざが社内にたむろしはじめた。そんなおり自宅に届いた1通の手紙。なかにはどこかの山を写した航空写真が…。毎週土曜日ごとに写真は届き、同じ場所が次第に拡大されてくる。公司は場所が想定されてくるにしたがい怯えはじめ、ついには失踪してしまった。途方に暮れながらも夫の行方を捜す智美だが、その矢先、写真の場所とおぼしきヒョー越峠で、経済やくざ・鍬形の殺害死体が見つかった。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年埼玉県生まれ。10年にわたるホテル勤務を経て69年『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞、73年『腐蝕の構造』で第26回日本推理作家協会賞をそれぞれ受賞。その後も『人間の証明』や棟居刑事シリーズなどで人気を博す。社会派推理小説の第一人者だが、最近は歴史小説にも活動の幅を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのぼん
4
一人の男の失踪が発端となって始まるミステリーでした。 後味の悪い作品でした。2012/04/12
アヴィ
1
ビジネス上の問題で夫が姿を消し、取り残される若妻、というのはミステリーではよくあるシチュエーション。ゼロの焦点など傑作も多いが、扱いを間違えたような駄作も多かったりする。本作は作者ならではの山岳を舞台にした良質のミステリーに仕上がっている。ヒョー越峠の県境問題や昆虫食は、もしかしたら本書で始めて知ったかもしれない。2025/05/12
無添
0
一人の男が失踪し、関係する経済ヤクザが死体で見つかる。2013/10/07
まさこ
0
森村誠一けっこうおもしろい!2008/08/13