内容説明
歴史学者である妻伸子の助言のもと、大胆な推理を展開する大和田の小説は、発刊すると、たちまち評判となった。しかし、伸子の勤める大学を牛耳る先輩教授は、妬みから大和田を中傷し、伸子を学内から、追放しようとする。数日後、「インターラーケン城」と名付けられた広大な別荘の中で、その教授は惨殺されていた。「聖徳太子の謎」に端を発する殺人事件は意外な展開を見せ、第2、第3の悲劇がそこに幕を開けようとしていた。
著者等紹介
斎藤栄[サイトウサカエ]
『殺人の棋譜』で江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。以後400冊を越す著書を持つ。「タロット日美子シリーズ」「二階堂警視シリーズ」など、人気シリーズを多数持ち、多くの読者を獲得している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
閑人楽之
1
2部構成となっている。天の部だけで1つのミステリーとなている。地の部は、天の部のストーリーの中に、天の部が、事件を解決するカギとなっている。 面白い構成の作品である。2020/11/19
ヨコケイ
1
歴史学者が殺され、現場状況から怨恨が疑われる。被害者に聖徳太子の死因にまつわる説を攻撃され、大学も追われた助教と作家の夫婦が浮かぶが、アリバイがある…とここまでが前半で、後半は雪の密室がメインに。歴史の謎、メタ趣向、暗号解読etcと要素は盛り沢山。個々のネタがユルいのは折り込み済としても、もうちょっと"演出"があってもよいかと。今更恥ずかしかったのかもしれないが、〈改め〉も〈不可能趣味〉も〈サスペンス〉も薄めとなると、読ませる力そのものが弱くなりかねない。2017/05/21




