内容説明
足首を骨折して六本木の古い病院に入院中の声優・真宮馨は、暇つぶしと人気維持をかねてホームページにミステリー小説を連載することを思いつく。といっても本職ではない彼は、身近に起きた事件を題材に書くことに。じつは二ヶ月ほど前に同じところに入院していた女優が謎の自殺を遂げていた。病室の出入り口には目撃者が二組おり、決して犯人が出入りできたはずがないということで、結局自殺とされたものの、本人には自殺する理由が全く見当たらない。これを殺人事件にして推理しようと考えたのだ。その直後から真宮の周囲には奇妙な出来事が頻発、とうとう担当の看護婦が殺されてしまう。そして台風の夜、寝静まった病棟に殺人者の足音がひそかにしのび寄る。
著者等紹介
辻真先[ツジマサキ]
名古屋市に生まれる。NHKのプロデューサー、脚本家を経て作家デビュー。『アリスの国の殺人』で日本推理作家協会賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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雪紫
24
友達の病院に入院したことをきっかけにミステリを書くことにした声優。しかし、彼の前には成長した娘らしき影が謎の消失をしたり、書いた小説の章が消えたり増えたりし、殺人事件や、怪現象まで起こる。舞台が舞台なのでホラーになりそうなところだけど辻さんの文体やユニークなキャラ、おなじみ克郎や蟻巣の面によって薄れ、コメディ的なものになっている。まあ、ようするにいつもの辻さんです。この作品の発想の元になったという著者のことばからもユーモア感たっぷり。2019/12/27
リリパス
3
シリーズものではない、単発長編作品ですね。面白かったです。2024/06/18
のんの
2
セクハラしようとして怪我した中年男性声優が入院先で、推理小説を書き始めたら、事件や不思議なことが起こった話。探偵は、男性声優の娘さん。娘さんに似た女性たちの正体は、なるほどとは思ったけど、声優さん本人が知らないことだから、いたずらにしてもちょっと悪質なようにも思えた。まぁ、真相はこんがらがってたけど、院長は何らかの形で関与してると思ってたよ。この女性に対して手癖の悪い声優は、実際にもいると思うけど、まだ声優に夢見てる部分があるから、ちょっと自分には合わなかったかな。2020/12/28
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