内容説明
希代の女好き平山藤五(のちの井原西鶴)は、家業の足袋屋もそっちのけで俳諧と女遊びにうつつを抜かしていた。そんな彼に荒戸屋孫兵衛という男が、万句興行を開催するのでその束ねをしてもらいたい、俳諧の世界でともに名を上げようと持ちかけてきた。これで一躍人気俳諧師となった西鶴の女遊びはさらに激しくなる。そんな廓通いのなかで、彼はひとりの遊女に出会った。その名は夕霧。恋人の世之介と心中して生き残り、遊女になったのだという薄幸の美女に西鶴はのめり込んでいくが、ある夜、交わりの最中に世之介の幽霊が現れて…。
著者等紹介
栗本薫[クリモトカオル]
1977年「文学の輪郭」で「群像」文学新人賞受賞、1978年「ぼくらの時代」で江戸川乱歩賞受賞。1994年にはミュージカル工房天狼プロダクションを立ち上げ、多数の作・演出公演を行っている。作曲家・プレイヤーとしてのコンサート出演も多い
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
2
読んだのは,2度目ですが,なかなか頭に入ってきません。 栗本薫ほど時代ものが好きでないからかもしれません。 週刊実話に連載されていたとのことですが, 週刊実話の系統の作品があまり好きでないからかもしれません。 西鶴は「1992年の11月に頼まれて,新神戸オリエンタル劇場での上演のための脚本を書いたのが原型だった」と第二部のあとがきに書かれている。 「脚本というかたちではほとんど書き残しておけないこともあって,これは脚本と別バージョンとして書いておきたい」 ということらしい。2012/02/13