内容説明
熊野・湯峰温泉の壷湯で、女性の腐乱死体が見つかった。偶然現場に居合わせた警察庁嘱託警視・千々岩は、あたかも小栗判官伝説を再現し、死体を甦らせようとしたかのようなこの事件に興味をおぼえ調べはじめる。その矢先、今度は熊野古道・乳岩で二人のハイカーが無残に惨殺されているのが発見され、遺体の胸に椿の花炭が…。いったい誰が何のために置いたのか?謎が深まる中、必死で捜査を進める警察と千々岩を嘲笑うかのように第三、第四の事件が…。壷湯の死体遺棄事件は、歴史と伝説に彩られた聖地・熊野古道を舞台にした恐るべき連続殺人事件の始まりだったのだ。
著者等紹介
田中光二[タナカコウジ]
昭和16年2月14日、京城生まれ。早稲田第二文学部卒。「黄金の罠」で第1回吉川英治文学新人賞受賞。現在、和歌山県白浜在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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