出版社内容情報
恩人の命令は、思いがけないものだった。
不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。
そこへ弁護士が現れ、依頼人に従うなら釈放すると提案があった。
心当たりはないが話に乗り、依頼人の待つ場所へ向かうと伯母だという女性が待っていて玲斗に命令する。
「あなたにしてもらいたいこと、それはクスノキの番人です」と……。
そのクスノキには不思議な言伝えがあった。
内容説明
恩人の命令は、思いがけないものだった。不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。そこへ弁護士が現れ、依頼人に従うなら釈放すると提案があった。心当たりはないが話に乗り、依頼人の待つ場所へ向かうと伯母だという女性が待っていて玲斗に命令する。「あなたにしてもらいたいこと、それはクスノキの番人です」と…。そのクスノキには不思議な言伝えがあった。
著者等紹介
東野圭吾[ヒガシノケイゴ]
1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学工学部卒業。85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、12年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第7回中央公論文芸賞、13年『夢幻花』で第26回柴田錬三郎賞、14年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。19年に野間出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
279
★★★★★★★☆☆☆大切な人への想いが詰まった東野圭吾の長編。窃盗の罪で逮捕された玲斗だったが、疎遠となっていた叔母により〝クスノキの番人〟を務めることを条件に釈放される。人々がその樹に祈りを捧げる理由とは…。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』や辻村深月の『ツナグ』に似たファンタジーだが、これらの作品と異なりその「特殊設定」については中盤まで明かされない。関係者の証言からクスノキの秘密を探る前半と、それが明かされた後の後半で異なる趣を持つ。もしこのクスノキが実在したとして、自信を持って預念できる人間でありたいと思う。2023/05/06
タツ フカガワ
227
窃盗未遂他で逮捕された直井玲斗は突然現れた弁護士に、クスノキの番人になるなら釈放するよう手続きをとると言われる。東京郊外にある月郷神社、そのクスノキの御神木の幹にある空洞で祈念すると願いが叶うという。何も知らぬまま番人になった玲斗の成長物語は、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に通じるようなファンタジー系の内容で、いつもながら筋立ての妙に平伏。いやあ面白かった! 終盤の介護施設でのピアノ演奏場面では思わず落涙でした。2023/04/06
ひさか
217
2020年3月実業之日本社刊。書き下ろし。長編。2023年4月実業之日本社文庫化。クスノキのもつ能力は面白いアイデアだが、展開が冗長で安易だった。クスノキの秘密がここまで守られるものかと少し疑問にも思う。2023/05/29
ほんた
191
前の時代から受け継いだもの、後世に伝えるべきもの。自分自身もそういう使命があるのだろうか。とても考えさせられる作品でした。 https://hontablog.com/クスノキの番人2024/01/20
参造
169
家族愛の話に少しファンタジーがはいってます。 淡々としているのですが何でだろう話に引き込まれてしまいます。 何回か目頭が熱くなった。2023/07/16