出版社内容情報
高校の初恋部を舞台に恋ができない女子高生四人が校内で起こる奇妙な謎に遭遇し、解き明かしていく青春×本格ミステリ!
内容説明
私立向日葵高校で帰宅部生活を謳歌していた高二にして「初恋未経験」のハル。初めて恋をすることを目指して「初恋部」を設立すると、自分以外にいないと思われた入部条件をクリアする希望者が次々と現れてしまう。まずは四人で始まった活動だったが出会うのは運命の人ではなく校内で起こる奇妙な謎ばかりで…。
著者等紹介
辻堂ゆめ[ツジドウユメ]
1992年神奈川県生まれ。東京大学卒。第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し『いなくなった私へ』でデビュー。幅広いジャンルを手掛ける若手注目作家。他に『僕と彼女の左手』(中公文庫)、『ようこそ来世喫茶店へ~永遠の恋とメモリーブレンド』(スターツ出版文庫)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
266
プロローグ+連作短篇4話+エピローグの東西南北で春夏秋冬な4人に依る、推理付き青春コメディ( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)。比喩的な物等では無く、高校の部活動としてなんですね。かなりの豪腕な設定ですね。それぞれ方向性の違う魅力を持った4人が集まって、キャッキャと学園内で起こる謎を解き、副作用的にカップルの成立を後押しする学園ドラマ。軽いノリで読めますね。でもそこは辻堂さん。総括としても何か仕掛けてくれているんだろうと思いながら読み進めましたが。2024/03/26
ポップノア♪@読書超絶停滞中
85
今春から帰宅部禁止になったことで部の新設を決意するハル。今まで通り放課後を謳歌できるだろうと目論んで作った「初恋部」なのに、次々と入部希望者が…。イケメンが苦手でインドア派のハル(一応部長)の他、行動力&運動神経抜群のなっちゃん、冷静沈着で歴女のアキ姉、天然ほんわか系美少女のふゆりん。高2にもなって初恋未経験の女子4人が織り成すミステリタッチのコメディ。本人達よりも何故か周りを幸せにしていく展開が笑えます。学校内の雰囲気も懐かしく、青春テイストを存分に楽しめました。でもコレ、絶対に続編が必要な結末でしょ!2022/01/13
へくとぱすかる
71
ラストに近づいていくと、どんどんスピードアップ。あっという間に読み終わった。季節が高2の春から夏休みなので、1年の半分も巡っていない。作者としては、いつでも続編を書けるようにしておいたつもりだったのかも。初恋部という設定が、絶対ありえないのにおもしろい。帰宅部のカムフラージュだったはずが、いつのまにか謎解き、というより、他人の初恋の背中を押すはめになってしまうというユーモア。ひたすら明るく屈託がない。この4人が部員だと、設定的にも男子の入部はお呼びでなさそう。再出発した作品として、あらためて続編を期待。2022/02/27
うまる
47
かなりゆるいミステリだけど、女子4人でワチャワチャしてるのが可愛いくて楽しめました。初恋部のディスカッションは結構恋愛の本質を突いているのに、この4人が何かを実践しようとすると、何故かズレていくような展開が面白かったです。春夏秋冬をイメージした4人4様のキャラ設定もバランスが良く、掛け合いも◎。 出版して間もなくレーベル終了→絶版の作品を救出してくれて、実業之日本社さんありがとうございます。続編も期待しています。2021/07/29
のんちゃん
43
高校で帰宅部を謳歌していた晴香だがそれが禁止になり、適当に苦肉の策で考え出した初恋部の設立。未だ初恋経験のない部員と初恋成就を目指す部活、そんないい加減な部に人が集まるはずないと踏んでいた晴香だったが、予想に反し学年でも目立つ3人が入部してきて、という話。この4人で恋の研究が始まる、が、出会うのは初恋対象者ではなく校内で起こる謎ばかり。謎解きは、流石、東大出身辻堂先生、可能性の証明を簡潔に理路整然と行っていく。JKが主人公なので明るく楽しいミステリーとなっている。2022/04/28