出版社内容情報
待機児童、貧困、男女格差……日本の現代社会に巣食う問題に体当たり。「キャバ嬢議員」小町の奮闘を描く新直木賞作家の意欲作!
内容説明
「夜の銀座」専門の託児施設を立ち上げた行動力を買われて出馬、初当選した芹沢小町。現役キャバクラ嬢でシングルマザーという経歴、物怖じしないキャラクターがメディアで話題となり、働く母親達を中心に熱い支持を集めている。ひとり親家庭、貧困、埋まらない男女格差。“ジェンダー不平等国”ニッポンに、小町のパワーは風穴を開けられるのか!?
著者等紹介
西條奈加[サイジョウナカ]
1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木三十五賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のぶ
85
西條さんの現代小説を初めて読んだ。時代小説とのトーンの違いに驚いた。2017年の総選挙で一人の女性議員が誕生した。主人公の芹沢小町で、現役のキャバクラ嬢でシングルマザーという経歴。早速、小町は子供の少子化問題や待機児童問題、ひとり親家庭、貧困、埋まらない男女格差等に対し対策に取り組んでいく。この作品の魅力は、小町のキャラだろう。日頃の国会は退屈という印象があるが、読んでいて興味を魅かれた。ただ政治に関する説明が多く、ドラマが希薄になった感は否めないが、西條さんの新たな一面を垣間見る事ができて良かった。2021/06/18
優希
43
政治の知識が皆無に近いので興味深く読めました。今の社会で問題になっていることが色々勉強になります。2023/06/05
タルシル📖ヨムノスキー
27
タイトル、そしてポップでキャッチーな書影と、主人公が現役キャバ嬢の国会議員、しかもライバルが同性の二世議員という設定から、永田町を舞台にしたドタバタ政治コメディかと思いきや、まったくそんなことはなく、至って真摯に現代日本が抱える少子化問題、待機児童問題、子供の貧困問題に真っ向から切り込んだ物語でした。この物語を読めばそれぞれの問題が何故起こっているのか、どんな現状なのかがとても詳しく解説されていて、とても勉強になりました。物語の中に出てきた政治の世界では「自由の反対は平等」という言葉に納得。続編熱望!2022/09/17
さくら★もち
25
夜間保育や子育て関係のサポートを行うNPO法人代表かつ現役キャバ嬢の小町。シングルマザーである彼女が野党所属の議員に初当選!子育て支援の政策を打ち出し、子育て法案の成立を目指す物語。パワフルで猪突猛進タイプの小町と与党所属の慎重で優等生タイプの遼子のバトルとその行く末が面白かった。子を持つ女性の現状や子どもの貧困など様々な問題を解決するための未来への展望に触れて、どんな形であれまず声をあげるってことは大切だなと感じた。もっと軽い物語を想像してたけど、内容は説明文多め。ガッツリ政治な小説で勉強になった。2021/08/24
百太
24
22日から選挙戦が始まる。コロナ状況でもっともっと苦しい状況になってる人がいるだろうけど、なんか日本の政治ってなんなんだろう? へぇ~法案ってそうやって決めてたのかって解って面白かったです。2022/06/16