内容説明
新陰流の流祖で柳生石州斎にその神髄を相伝した上泉伊勢守信綱。無類の武辺者でありながら奇矯なかぶき者として知られた前田慶次。信長・秀吉と真っ向から対峙した茶聖・千利休。そのほか築城・藤堂高虎、水墨画・長谷川等伯、大泥棒・石川五右衛門ら、戦国の世、神の“業”で時代を変えた十人のカリスマの生き様を歴史小説の泰斗が描く傑作列伝。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。78年に『深重の海』で直木賞受賞。その後、織田信長を描いた『下天は夢か』がベストセラーになる。95年『夢のまた夢』で吉川英治文学賞、2005年菊池寛賞受賞。1997年に紫綬褒章を、2003年には旭日小綬章を受章。剣道三段、抜刀道五段で武術全般に造詣深く、剣豪小説をはじめとして多くの武道小説を執筆。2018年5月26日逝去。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
137
著者が考える戦国時代の業師10人の話。剣豪、武将、絵師、茶人などなど。前田慶次や千利休もいれば、この人誰?みたいな人も、これを読む人によってはいるのかな。著者の持論も踏まえた優しくかみ砕いた本のウィキペディアみたいな感じというか教科書的な感じかな。物語性はあまり感じないですね。個性豊かな人はどの時代にもいますね。2020/05/07
姉勤
39
業師:比類なき成果を上げる人物。剣術、風流・傾き、茶道、築城、絵画、造船・操船、政略、銃砲術、偸盗、鉱業・錬金術。十名のそれぞれ卓抜した技術と業(ゴウ)の持ち主。時代小説を読めば、同時代の著名人として登場する人物でもある。その副読本でもいいし、短編をきっかけに個々の物語に魅かれてもいい。当然、遠くから眺めている分にはいいが、当人も含め身内や近隣にいれば命が何個あってもたりない。戦国の世だから存在が許されたとも言えるが、求道や贅のかぎりを味わう、平和の代償としての人生は、フィクションの中で嗜めという事か。2025/02/15