出版社内容情報
あなたの隣のママ友が怖い! 一通のメールから始まる、悪夢の結末とは――ラストに思わず二度読みしてしまう衝撃サスペンス!
内容説明
岸谷奈江と一人娘の真央は、入園を予定していた有名幼稚園へ見学に向かう。ところが、園長の元には一通の匿名メールが届いていた。奈江が属するママ友グループのいじめで家庭が崩壊したという告発だった。その後も、子どもたちの健やかな成長を呪うかのように、悪意に満ちた出来事が続く。追い詰められた奈江に待ち受けるのは救済か、破滅か。
著者等紹介
春口裕子[ハルグチユウコ]
1970年神奈川県生まれ。慶応大学文学部卒業。損保会社勤務の後、『火群の館』で第二回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、デビュー。文芸各誌、アンソロジーで短編を発表するほか、エッセイストとしても活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
81
ママ友小説は数多くあれど、過去最凶かもしれない。ラストはさておき、とても面白かった。ママ友付き合いに翻弄される主人公。常識や良識もあるけれど、自分本位なところもあり、意志が弱く流されやすい性格が格好のターゲットになったのか。次々襲いかかるモンスター毒母。イヤ汁どころじゃない陰湿で執拗な悪意の嵐。怖い怖い!無理無理!イヤイヤ!藤田香織さんの解説が良かった。バツイチ独身、子供もいないゆえにママ友小説は距離感を持って楽しめる。だが本書は背筋が凍る恐ろしさまで堪能できた。2021/02/15
M
65
確固たる自分を持つことって大事だなと感じた。子供は親のことよく見てるから。我が子人質ゆえ、対ママ友や学校では長いものに巻かれるのも、ある程度やむを得ず、葛藤や嫌な思いも避けられないのだけれど…。悪口はねぇ…言ってる場に居合わせたならきっとどこかで自分も言われているから、極力言わない聞かない流す…分かっちゃいても子供が絡むとままならないのよねぇ。主張し過ぎず、流され過ぎず、けれど関係性は保ちつつ…。受験の繰り上げのシーン、身の毛がよだった…悪母というより、人として非道。ママ付き合いの嫌な面の凝縮版。2020/07/24
JKD
46
小さな子を持つママ友LINEグループに参加している奈江は集団という塊になかなか切り込めず、会話も微妙に噛み合わないこともあり、ただ卑屈になり不安と不満だけが鬱積していく。やがて些細な発言が地雷となり、ぐちゃぐちゃドロドロ関係に発展。ママ友バトルに出てくる不快な責め言葉はリアル。恐るべしママ友コミュニティ。2019/06/16
坂城 弥生
43
ママ友間の陰湿さを混ぜたやり取りにうわぁ~…と思った。2022/02/12
Kazuko Ohta
34
「ママ友が、怖い」などという帯の惹き文句に釣られ、嬉々として読み始める自分が嫌だ(笑)。最初の嫌がらせがえげつなすぎて、その先に期待(?)したものの、真梨幸子の仕打ちのほうがよほどえぐいんじゃなかろうかと思えるレベル。それだけに、こんなことは結構ありそうで恐ろしい。ストレスが溜まるばかりの関係の中で描かれる登場人物たち。誰も好きになれません。親同士の関係に左右されることなく無邪気に遊ぶ子どもたちを見れば安心するけれど、いずれ子どもにまで影響が及ぶことは必至。それにしても男性の影が薄すぎる。何しとるねん!?2019/06/21