出版社内容情報
歌舞伎の人気女形・仙之助は、実は敏腕警部だった――。大ヒット『撃てない警官』の実力派ミステリー作家が放つ、異色警察小説!
内容説明
歌舞伎の子役から警官に転身。卓越した捜査能力を買われて警視庁捜査一課警部に昇任の翌年、34歳で歌舞伎界に復帰した高部研一。人気女形・村山仙之助として活躍する裏で「捜査技能伝承官」に任命され、警察にも籍を置く。築地署の若き女性巡査・九重佐知とのコンビで、拉致監禁、ストーカー、地面師等、都会にはびこる悪に睨みを利かす―。名手が放つ異色警察小説!
著者等紹介
安東能明[アンドウヨシアキ]
1956年、静岡県生まれ。明治大学政経学部卒。浜松市役所勤務の傍ら、94年『死が舞い降りた』で日本推理サスペンス大賞優秀賞を受賞しデビュー。2000年『鬼子母神』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞する。2010年「随監」で日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
52
「捜査技能伝承官」また新しい用語が誕生か?!と、思いきやすみません、勉強不足でした;それが歌舞伎役者の女形が警部だとは…。例えば、海老蔵さんが警察バッジを片手に二足の草鞋を履くってことか。捜査一課が出ることもなく、かと言って生活安全課に任せるには内輪の事件もあって女形の仙之助警部にお出ましを願う。ストーカー事件、地面師、無料低額宿泊所、現代が抱える問題と歌舞伎の出し物を絡めてサックリと読める。歌舞伎に詳しかったらもっと面白いんだろうけど、どうも不調法でございまして…。安東さんの濃い警察小説読みたいな。2019/04/20
はつばあば
48
あらまぁ・・これほんまに安東さんの作品?と何度も幕が変る度に自問自答。女形って言うのですから女性的なんでしょうが言葉が・・今迄の小説の警部とのギャップが大きくて。ストレス解消に警察モノは私の好みなんですが・・南座で歌舞伎をみているくらい肩が凝りました(笑)。2019/04/18
み
30
さくさくと♪この作家さんとは思えない軽い空気でした^^;歌舞伎は好きなので、キャラとか歌舞伎の演目が絡むのは楽しかったです。2019/10/16
ち~
28
歌舞伎役者と刑事、二足のわらじで活躍する村山仙之助こと高部研一。子役から警官、警視庁捜査一課の警部に昇進後、再び歌舞伎役者に復帰という経歴が面白い。相棒は、歌舞伎好きを買われて抜擢された、入庁2年目の巡査・九重佐知。仙之助の稽古や舞台の間を縫っての捜査で事件を解決していく短編4つ。刑事物としてソコソコ楽しめるが、せっかくの設定が活かしきれていないように思った。もう少し、歌舞伎の世界に踏み込んだ内容であってもいいのでは?最後まで仙之助の口調に馴染めなかった。地面師と東京オリンピックが絡む事件が面白かった。2019/08/12
葵
27
最近電子書籍で歌舞伎の本を読んだり検索したりしていたので、その分野の本ばかり出てくるようになった。ネット便利だけど怖い(笑)これは安東能明さんの警察小説にしては異色。主人公は子役から歌舞伎の舞台に立っていたが、高校卒業後に警察官に。優秀な捜査官として警部まで出世するが、その後歌舞伎に復帰。人気女形として活躍中も、その捜査能力をおしまれ、技能伝承捜査官として警察に協力している……オモシロ設定の短編集でした。それぞれの章で歌舞伎になぞらえたエピソードがでてきたり。2時間ドラマの時代なら実写化にピッタリ!2024/07/22
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