出版社内容情報
「遺言ツアー」を企画した新米社員の美月はわがままな参加者に振り回されて……『限界集落株式会社』著者の心温まるストーリー!
内容説明
小さなプランニング会社の新米社員・川内美月は「遺言ツアー」なる企画を思いつきで提案。なぜか実現の運びとなるが、温泉旅館で始まった二泊三日のセミナーは、個性派ぞろいの参加者たちに振り回されどおし。やがて美月は参加者の人生にふれて遺言の意味に改めて気づかされるが、思わぬトラブルが…。笑いと涙のハートフルストーリー。
著者等紹介
黒野伸一[クロノシンイチ]
1959年神奈川県生まれ。2006年『坂本ミキ、14歳。』(文庫化にあたり『ア・ハッピーファミリー』を改題)で第一回きらら文学賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんらんしゃ🎡
55
★もうね、細胞の分裂回数が決まっているのなら私のは残り少なくなってるでしょうし、早く大人になりたいと子供の時分から思ってましたから、分裂のサイクルも人より早目かもしれません。つまり見た目老け顔です(T_T) まあ何にしても、命と人生について考えることは多くなりました。認知症とか終活とか、齢相応な本を読むようになったわけです。★遺言作成は単に配分するにあらず、今ある自分に関わってきた過去の人たちをも思うところから始まる。ゆっくり人生を振り返えるいい機会だと教えられました。2018/11/12
達ちゃん
49
サクサクと読みやすかったですが、結構奥の深い話でした。こんなツアー実際にもあるらしいので、もうちょっと年取ったら参加してみたいです。「心の棚卸」という言葉がいいですね。2017/11/17
libra
19
温泉につかって美味しいものを頂きながら遺言を書くという遺言ツアーの参加者と企画者の話。タイトルの突拍子のなさに惹かれたけれど、後書きを読んで現実に存在することを知ってびっくり。事実は小説より奇なりなんですね。自分には突拍子もないことであっても、世の中にはどういうニーズがあるのか分からないなと思っていたけど、落ち着いた雰囲気の場所で過去を振り返りながら、家族や兄弟の事を思い浮かべている彼らの様子を読んでみると案外悪くないなと思ってくる。2017/08/25
Yunemo
16
著者6作品目、なんだかな、可もなく不可もなく。限界集落、老いの分野での作風が妙に自身の感性と合っていたのに、との想い、本作品もいわゆる老いの分野に入るのかな、なんて想いで読み出し、入り口でちょっと違った雰囲気に。解説で記されるように、「お仕事・家族小説」の分類に入るんでしょうかね。でもどちらにしても中途半端な感がしてなりません。どちらかの面を強調して欲しい、「終活」ツアーという面をもうちょっと強く打ち出して。遺言に対して、家族・兄弟に対して、それぞれが持つ、ものの見方が一つじゃないことは、よくよく理解。2015/12/06
安曇
15
図書館より。最近気になっている作家さん。遺言を書くためのツアーという設定は面白かったです。2017/06/04