出版社内容情報
スーパー経営者殺人事件の特異な手口に、かつて対決した元ヤクザの貌が浮かんだ刑事・辰見は――大好評警察小説シリーズ第6弾!
内容説明
台東区根岸のラブホテル街で、スーパーの社長が口の中を銃で撃たれて死んでいた。機動捜査隊浅草分駐所の刑事・辰見は、二十七年前に起きた暴力団組長射殺事件の手口を思いだし、当時の関係者で元ヤクザ・永富と再会。だがその後、同じ手口で二人目の犠牲者が。事件の背後に隠された驚きの真相とは…!?いぶし銀の魅力全開の傑作警察小説!
著者等紹介
鳴海章[ナルミショウ]
1958年北海道生まれ。日本大学法学部卒業。会社勤務を経て、91年に『ナイト・ダンサー』で第37回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
120
定年まで1年半になった辰見刑事が久々の主役。元ヤクザ・ 永富の視点で交互に事件は淡々と進んでいくが、二人の想い が昭和後期から現在までの築地や浅草を描いていて、時代の 変遷がシミジミと伝わってくる。シリーズ6作目とあって、 登場人物たちが成長するのもファンには嬉しい…新米だった 小沼刑事、途中から参加した小町班長、2作目で初登場した 粟野少年など。読む度に「ハードボイルド風なのに、人情が 漂う愛すべきシリーズだなぁ」と感じている。次作も積んで あるのでジックリ楽しみたい♪2017/07/20
kei302
40
シリーズ6作目。今回の主役は富永と猫のチャミィ。稲田ハンチョウの出番は少なめ。定年前の刑事・台湾・公安・外事2課。似たような設定、最近読んだような...。ちょっとスケールが大きいが、辰見「これで失礼する。明日は当番でね。“街”の安全保障がおれの仕事だ」の決め台詞にシビれたよ。小沼と粟野の今後が楽しみ。「暴虎の牙」を読む前のウォーミングアップ。2020/05/11
いつでも母さん
32
もう6作目になるのね・・今回は辰見さんが主役。でも私には引退した『鍾馗の豊成』が主役だったなぁ。この鍾馗の豊成こと永富もザ・昭和の香りがプンプン(笑)面白く一気に読了した次第です。2015/05/09
asa.com
23
浅草機動捜査隊、6作目。辰見が主人公は安定ですね!! 今作は、辰見と二十年以上前から親交のある元ヤクザ、永富との因縁の物語。有名スーパーの社長が、口の中に銃を突っ込まれ撃たれた。かつて、暴力団組長が殺害されたのと同じ手口とみた辰見は永富に会いに行く。組長を殺したのは永富がアニキと慕っていた男。親分の仇うちを果たし、服役も終え、愛猫と平穏に暮らしていた永富に過去が迫る! 辰見と永富のオッサンがいいですね~。相変わらず辰見の単独行動が過ぎるし無茶筋はまあ置いといて、雰囲気で読ませていただきました(笑)。2017/05/25
shiozy
20
年老いた元ヤクザとデカのお話である。口に銃口を突っ込んで殺害されるという手口から、過去の事件があぶり出されていく。老ヤクザの渋みがいいね、である。2015/05/29