内容説明
共働きで小学生の娘を育てながら、人気女性誌の副編集長を務める七瀬和美、37歳。男社会で肩肘張って奮闘するが、突然理不尽な降格を命じられ、閑職に追いやられる。学校では娘をめぐるトラブルも発生。苦境に立つ和美が「働いてるママが好き」という娘の言葉に触発されて挑んだのは…。お仕事小説の旗手が放つ、痛快エンターテインメント!
著者等紹介
碧野圭[アオノケイ]
愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年、PARCO出版から上梓した『辞めない理由』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
utinopoti27
129
本作の主人公は、人気女性誌のやり手副編集長としてバリバリ働くワーキングマザー。ところが、あるきっかけで降格のあげく「窓際職場」に追いやられ、娘の学校でもトラブルが。仕事に子育てに、崖っぷちに立たされた彼女の決断とは・・。豊富なマスコミ経験を持つ作者だけあって、出版業界の実情はリアルそのもの。中盤以降うまく行き過ぎのようにも思えるけれど、エンタメお仕事小説としては、これくらいのイケイケ感は必要だろう。出版不況と言われて久しいが、紙媒体でなければ果たせない役割はあるはずだ。生き残りに賭ける作者の思いは熱い。2020/05/22
ゆみねこ
75
あ~面白かったです!人気女性誌の副編集長の七瀬和美は、小1の娘を持つワーキングマザー。突然理不尽な降格と異動を命じられ、窓際部署に飛ばされ、娘もイジメから不安定に。和美の突っ張りぶりがやや鼻につく感もありましたが、働くママへの応援歌としても、良い物語だったと思います。これがデビュー作とのこと、まさに碧野さんの原点なのですね。2015/07/11
siro
64
確かに上手く行き過ぎ感はあります。でも!やっぱり窮地からの逆転劇は読んでいて気持ちが良い。前半の理不尽な降格に絡んで、昨日までの仲間がサーっと引いて行くところの悔しさ、ただ慰めてほしいだけなのに厳しい意見を繰り出す夫への苛立ち、子育てに関してのコミニュケーション不足だと決めつけられる苛立ちとそうかも知れないという背中合わせの不安…同じく働く主婦としてはとてもとても共感出来ました。両立する事に悩んだ時期もあったけど子供に働いている姿をカッコいいと思ってもらえる母でありたいなと思いました。勇気を貰えました。2016/01/28
ユメ
51
女性であるというだけでハンデを背負って働く主人公にエールを送りながら読むうち、いつしか自分がエールを送られていた。理不尽な理由で女性誌の副編集長を降ろされ、窓際の部署に追いやられた和美。会社を辞めるか悩む彼女に、小学生の娘・絵理が「働いてるママが好き」と声をかけるシーンにほろりとした。全力を尽くしていても、逆に手を抜いていても背中を見ている人には必ず伝わる。私も、誰に見られても恥ずかしくない姿勢でありたいな。和美を筆頭に、閑職に回されていた人たちの得意分野が繋がって新雑誌が出来上がっていくのが爽快だった。2018/05/24
えりこんぐ
49
女性が子育てをしながら、第一線で働き続けるのは本当に大変。忙しい!でカリカリ突っ走っていた和美が、異動後に柔らかく変化していくところに好感が持てた。「お仕事をしているママが好き」なんて子供に言われたら、すごく嬉しいだろうな♡2015/09/29