内容説明
高校生の久(キュウ)は「殺人ライセンス」というサイトに遭遇。それは、ターゲットを殺害するゲームだった。その後、ゲームの標的らしいストーカー公務員の殺人事件が発生。リストラされた素人探偵とキュウは事件の解明に乗り出す。一方、捜査本部の丸谷刑事らは、犯人を絞れない事態に焦る。高校生と捜査本部、殺人ゲームと現実の捜査の接点はどこに―?
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年にデビュー。『東京湾臨海署安積班』、『潜入捜査』シリーズほかが好評。武道小説、伝奇小説なども幅広く手がける。2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yanae
86
久々の今野さん。ノンシリーズ(だと思う)長編。会社をリストラにあった主人公が探偵を始める。娘の同級生から、とある殺人事件が「殺人ライセンス」というゲームを元に行われているのではないかという相談をうけ、真相の解明に動き出すというもの。書かれたのはだいぶ前なのに、今に通じるところがあってすごい。どうしてもネットが題材なので、今とは環境が多少違うけれども…。高校生らしい親との微妙な距離感とか、ミステリー以外にも読みどころあり。楽しんで読みました。2018/08/14
one
29
読みやすさや安定性は安心の今野作品。脱サラして探偵というとんでも親父と家族の再生、ネットに依存しながらもしっかり青春している高校生、ネットに踊らせられながらも捜査の本質を思い出す捜査陣、とキャラクター設定も上手くまとまってます。深みはありませんがエンタメ小説としてはさすがです。ネットについて相当調べられたのだなぁと思うと、今野先生の勤勉さには感服します。2014/12/28
Kーazuki
27
インターネットサイトの殺人ゲームが、実際に連続殺人へと繋がっていく。高校生の久がそのことに気づく。仕事をリストラされて探偵になった相沢と同級生の刑事。それぞれがそれぞれの立場から犯人を絞り出していく。この本が出た時は、インターネットはどのくらい浸透していたんだろう?今読んでも古さを感じさせなく、読みやすい小説でした。2024/03/10
ヨーコ・オクダ
26
タイトルを見て「大人のピリッとした」内容を想像してたら…見事にハズレ(苦笑)「殺人ライセンス」というネットゲームを知った高校生・キュウとリストラ目的の早期退職に手を挙げ、探偵になろうとしているオヤジ・相沢とストーカー殺人を追う刑事・丸谷が事件を核にして主にストーリーを引っ張っていくキャラ。この3者が結びつく設定の隙間を、PC、ネットに疎い中年、高校生の子供がいる家庭の有り様、高校生の恋バナ等々で埋めてある感じ。帯には「ネットサスペンス」とあったけど、うちは「家族モノ」の印象のんが強く感じられたかな。2018/12/23
Kaz
22
ネット環境は進化の一途を辿っているので、本作当時とは全く違った状況になっている・・・はずなんだけれど、物語自体は今でも十分耐えうる内容。科学がいかに進歩しようとも、それを扱う人間の本質は、そこまで進歩していないということか。中盤までは謎だらけで読むのがやめられなかったのだが、後半に入って謎解きが始まるとちょっと拍子抜け。深夜のテレビの謎が、ちょっと残念。でも、さすがは今野敏。十分楽しめました。2016/01/12
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