内容説明
物静かで言葉遣いも上品だったマンボウ氏が躁病になり、斎藤家の生活は一変。破産に至るまで株売買を繰り返し、自宅に共和国まで作ってしまう。ドタバタ大騒動に巻き込まれながら、妻と娘は人生の航海をともにするのだが…娘の結婚、孫との交流、妻とのケンカ(?)など、マンボウ一家をめぐる爆笑&しみじみエッセイを厳選の一冊。
目次
葬式
私の暮と正月
正月の苦しさ
昔の映画
われヤブ医者
ボロ別荘の思い出
娘の結婚
楡家の通り〔ほか〕
著者等紹介
北杜夫[キタモリオ]
1927年東京生まれ。東北大学医学部卒業。船医となり世界各国を回り、その体験を書いた「どくとるマンボウ航海記」がベストセラーになった。60年「夜と霧の隅で」で第43回芥川賞受賞。64年「楡家の人びと」で毎日出版文化賞、86年には「輝ける碧き空の下で」で日本文学大賞、また98年には茂吉評伝四部作で第25回大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
44
斎藤家は大変だったんですね。マンボウ先生が躁病になり、生活が一変するのですから。それでも家族の「絆」もあるのが、こんな家族もあると思わされます。2022/01/10
hiro
34
今書店に行くと、北さんの文庫本が平積みされている。その中で“生前最後の著書”という帯を見て買った。この本は家族のことを書いたエッセイをまとめたもので、解説は、北さんのユーモアを受け継いだ娘さんの由香さんだ。でもマンボウ先生、「エッセイにしても書く材料がないから、ついつい妻の悪口を書いた」はいけませんね。正直、航海記・昆虫記・青春記を読んできた私にとっては、物足りないエッセイだけれども、新しいエッセイを読めないと思うと悲しい。もう一度北さんのユーモアに触れるために、『どくとるマンボウ航海記』を読んでみよう。2011/12/19
あーさん☆GWは墓参りをハシゴしました。暑くてバテました。
28
2011年10月追悼帯を見て。船医でも鬱になった話が盛り込まれ、家族の事や火事、ポケモン!Σ( ̄□ ̄;)の事、茂吉の歌の事などなどユーモア有り過ぎてビックリ!Σ( ̄□ ̄;)2018/01/22
退院した雨巫女。
20
《私‐図書館》北先生亡くなってしまいました。残念です。「株さえしなければ…。」奥さまの気持ちわかります。あちらで、遠藤先生たちと、楽しく遊んでくださいね。2012/03/26
ぐっち
19
娘さん・斎藤由香さんの解説文が面白くて買ってしまいました。どくとるマンボウシリーズのエッセイはむかーし何冊か読んだことがあって、面白いおじさんだと思っていたのですが、家族はたいへんだったんだなあ~。横浜旅行と娘さんの結婚式の話が良かったです。「楡家」も買ってきたんですが、なかなか敷居が高く、これで少し助走ついたかなあ~。2012/03/24