出版社内容情報
「ほんとうの幸い」って、何だろう?
瑞々しく、愛おしく、胸に響く傑作青春小説!
県立野亜高校の図書室で活動する「イーハトー部」は、宮沢賢治を研究する弱小同好会だ。部長だった風見先輩は、なぜ突然学校から消えてしまったのか。高校生たちは、賢治が残した言葉や詩、そして未完の傑作『銀河鉄道の夜』をひもときながら、先輩の謎を追い、やがてそれぞれの「ほんとう」と直面する。今を生きる高校生たちの青春と、宮沢賢治の言葉が深く共鳴する感動長編。
内容説明
県立野亜高校の図書室で活動する「イーハトー部」は、宮沢賢治を研究する弱小同好会だ。部長だった風見先輩は、なぜ突然学校から消えてしまったのか。高校生たちは、賢治が残した言葉や詩、そして未完の傑作『銀河鉄道の夜』をひもときながら、先輩の謎を追っていき―。物語を愛するすべての人へ贈る、青春小説の金字塔!
著者等紹介
名取佐和子[ナトリサワコ]
兵庫県生まれ。明治大学卒業。ゲーム会社に勤務した後、独立。2010年『交番の夜』で作家デビュー。著書に第5回エキナカ書店大賞を受賞した『ペンギン鉄道なくしもの係』ほか多数。『図書室のはこぶね』は各地の司書が選ぶ「イチオシ本」に選ばれるなど、幅広い世代に愛読されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シナモン
113
とても良かった!「ほんとうの幸いは、遠い」のメッセージを残して音信不通になった風見さんの真相が気になって先を急ぎたくなるけど、宮沢賢治の作品やイーハトー部の部員たちの繊細な心の描写とかしっかり味わいたくて丁寧にゆっくりと大切に読んだ。野亜高校イーハトー部のきらめく青春の1ページを覗かせてもらったような、とても素敵な小説でした。みんな最高だよ🥹2024/08/19
Karl Heintz Schneider
99
宮沢賢治を研究するイーハトー部。突然不登校になってしまった先輩の残した謎の言葉「ほんとうの幸い」の意味を探るべく奮闘する物語。最後に不登校になった本当の理由がわかるが想像以上の闇があった。「それでも善きことをしたいと思った気持ちは嘘じゃない。」結果はどうあれその瞬間の気持ちは嘘じゃない。こちらまで救われる思いがした。「学校は船みたいなものだ。できれば乗組員全員を港までたどり着かせてやりたいと思っている。」校長先生の熱いひと言に胸が熱くなると同時に本書の前作とも言うべき「図書室のはこぶね」を思い出した。2024/10/28
みかん🍊
86
図書室の一角でと活動する宮沢賢治を敬愛するイーハトー部だったが尊敬している部長が「ほんとうの幸いは、遠い」というメッセージを残し不登校になってしまう、その意味を知る為に賢治の作品を読み文化祭、体育祭、修学旅行と高校2年の行事をこなしていくチカたち、3年の短い高校生活を楽しむ者、悩む者、関わらずに過ごす者がいるが仲間や同志友人と過ごす高校生活はやっぱり特別な青春、男の子のエピソードは違う小説でも読んだが全くの善意が良くない結果を生むこともある何が正しかったのか真実は分からない、最後の卒業式には涙した。2024/09/03
itica
83
高校の「イーハトー部同好会」の部員を中心に繰り広げる青春の1ページ。宮沢賢治の作った言葉「イーハトーブ」でもわかる通り、この同好会は宮沢賢治研究会だが、私のように宮沢作品をそれほど知らなくても問題なし。純粋だからこそ傷つくし、悩みもおいそれと他人には言えないし、葛藤も生まれるし。そんな懐かしい高校時代を思い出したが、最終章では思わず涙した。どうやら私にも純粋のカケラが残っていたらしい。 2025/04/22
ゆみねこ
80
県立野亜高校の図書室で活動する「イーハトー部」。宮沢賢治を研究する弱小同好会。部を立ち上げた風見先輩が「ほんとうの幸い」って何だろう?と言う言葉を残し、突然学校から消えた。先輩はなぜ消えたのか?チカ・キョンへ・マスヤス、3人の部員たちと見守る司書の伊吹さん、顧問の郡司先生そして校長。それぞれが抱える悩みや問題、「ほんとう」と直面して成長する高校生たち。清々しい名作、とても良かった。オススメ!2024/09/14
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