出版社内容情報
発売前から、全国の書店員さんの共感の声も続々到来!
2020年夏、注目度ナンバーワンの傑作お仕事小説!
本屋大賞第2位(2019年)に選ばれた感動作『ひと』の
作品舞台・砂町銀座がある東京都江東区に暮らし、
区内の営業所に配属された新卒のタクシードライバー・高間夏子(23歳)。
女性比率は3パーセント足らずという男社会で、個性あふれる先輩や同期たち、
そして家族に励まされながら、仕事に、恋に(!?)、全力で走り回る姿を、
温かく爽快な筆致で描きだす。
リスクを恐れず、自分の仕事を好きだ、と走り続ける人々の、
頼もしきナビとなる物語だ。――藤田香織(書評家)
内容説明
新人タクシードライバー夏子、ガンバレ!お客様の人生、心をこめて、運びます。本屋大賞2019年第2位『ひと』の著者が贈る、傑作青春小説!
著者等紹介
小野寺史宜[オノデラフミノリ]
1968年、千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」で第86回オール讀物新人賞を受賞。08年、ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作、『ROCKER』(ポプラ社)で単行本デビュー。『ひと』(祥伝社)が2019年本屋大賞第2位に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fukumasagami
306
新卒で都内のタクシー会社に入社したドライバー1年目の高間夏子23歳。両親は彼女が小学生の時に離婚して、アパレルセールスの母親と東雲のマンションに二人暮らし。女性が自分で選んだ仕事を続けることのやり辛さが夏子の視点で描かれている。2021/06/29
ひさか
299
2020年8月実業之日本社刊。書き下ろし。23歳新卒の夏子の東京でのタクシードライバー稼業のお話。興味深く、楽しく、面白い展開です。夏子さんと一緒にタクシー仕事をしている気になりました。東京ならでは、というところも含めて、最近のタクシーの認識をあらたにしました。仕事辞めないイコール、カレシと別れるとなったところは、心外ですが、二人は、そういう考えというか流れだったんですね。読取れなかったです。嫌いじゃないということだし、復縁があるかも。2021/01/02
kotetsupatapata
296
星★★★☆☆ 小野寺さんの本にしては珍しく?若い女性が主人公でした。 小生も3年前までタクシードライバーでしたので、「わかるな~」と共感しながら読みました。 とはいえお仕事小説というほどではなく、主人公 夏子の日常を淡々と綴った作品。 相変わらず会話の多い文体なので、2日もかからず読了しました。 確かに室内という密室故に、強盗やハラスメント等のリスクは他の業種に比べると高い為、鈴央が辞めて欲しいと願う気持ちは分からんでもないですね。 でも恋愛か仕事かどちらか選ばなければいけなかったのかな~2021/01/25
しんたろー
282
『ひと』が良かったので2冊目の小野寺さん。大卒でタクシードライバーになった高間夏子23歳を主人公にした6つの連作短編は、お仕事小説ながら何処にでもいそうな人々の日常を描いた物語。夏子の目線で客、同業者、母親、彼氏らとの関係を語る内容は大きな出来事やサスペンスがある訳ではないが、すんなりと頭に入ってくる。テンポが良くて会話が多いのでスイスイ読めるのも有難い。じんわりと感動した『ひと』には及ばないが、本作も「等身大の人を描くのが巧いなぁ」と感じたし、夏子や先輩・姫野のキャラが好きなので、続編も描いて欲しい。 2020/11/17
ウッディ
279
女性が安心して乗車できるタクシーを増やしたいという気持ちで、新卒でタクシードライバーになった夏子、若い女性の運転手故の不安や悩みを抱えながらも、仕事に誇りを持ち成長していくお仕事小説。小野寺さんには珍しい女性で割と強気な主人公でしたが、テンポの良い文章と、ほのぼのとした内容には安心できます。客とサービス提供者という関係で、密室でそれなりの時間を一緒に過ごす、そんなタクシーだからこそ、気持ちよく過ごしたいと思います。イケメン先輩の姫野さんとのやり取りも面白く、シリーズ化を期待したい一冊です。2020/11/30