出版社内容情報
警察の警察。元部下の監察を指令された警視庁人事一課の佐良が見た真実とは。緻密な伏線と人間ドラマが胸を打つ傑作警察小説。
内容説明
人事一課監察係の佐良が命じられたのは、元同僚・皆口菜子の監察だった―緻密な伏線と人間ドラマが胸を打つ!静かで熱い警察小説。
著者等紹介
伊兼源太郎[イガネゲンタロウ]
1978年東京都生まれ。上智大学法学部卒業。新聞社勤務などを経て、2013年に『見えざる網』で第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
173
『地検のS』の伊兼さん。今頃本作を手にする(続編もあるそうだ)警視庁人事一課通称「ジンイチ」。その中でも警察の中の警察と言う監察官を描く警察小説。誰も信じられないのに面白く読んだ。あぁ、これは辛いだろうな…嫌われるよな…「現在を変えれば、過去の持つ意味を変えられるかもしれないというだけだ。」と佐良を試した能馬の言葉が、しれっと過ぎてツボだった。続編では皆口が加わってどんな話になっているのだろう。楽しみだ。2021/06/24
ケイ
110
期待以上に面白かった。公安モノは、ハズレが少ないな。この人だけは裏切り者ではないようにと祈りながらページをめくる高揚感がたまらない。直ぐに続編に向かいます。2023/05/14
パトラッシュ
107
警察小説は数多いが、仲間の警察官を探る監察官が主役の作品は初めて。刑事としての誇りを持って働いてきた佐良は失策で部下を失い、思ってもいなかった監察官に異動した設定が面白い。上司や同僚、元部下らもみな警察組織で受けた傷を抱えており、痛みに耐えながら警察官としてのプライドを守ろうと努めている。命じられた監察業務で部下が死んだ事件絡みで疼きだした古傷の痛みが、行動確認の連続で地味な展開の物語に緊張感を与えている。そんな面々の思惑を聴き続けた佐良が真実をうたう声を聴き分けた結末は、警察官としての成長小説といえる。2021/02/23
さっこ
83
読み応えのある作品でした。捜査一課時代、捜査中に部下を亡くし、人事一課へ異動になった佐良。行確を命ぜられた監察対象は当時の部下の皆口菜子だった。過去の部下が殉職した未解決の事件を絡ませながら、監察としての生き方を貫いていく。真相の糸口が見えてからの怒涛の展開はとても面白かったです。第2弾も出ているようなので読みたい。2021/02/06
ゆみねこ
79
捜査中に後輩刑事を殺害された佐良は、異動で警察の警察と呼ばれる人事一課で監察業務へ。一通のタレコミ文書から殺害された刑事の婚約者だった皆口を内偵することに。誰が捜査情報を漏洩していたのか、公安やら出世のために手段を選ばない輩など、緊迫した場面も多くて一気に読み込みました。これは続編ありそうですね。楽しみに待ちたいです。2017/04/26
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