出版社内容情報
赤羽、池袋、北品川、錦糸町、青梅など、元刑事がバスを乗り継ぎながら、謎を追う「大人のミステリー」。小さな旅に出かけたくなる。
内容説明
トラベルミステリーの新機軸!無趣味の元刑事がみつけた道楽は、バスの旅。シルバーパスを利用して東京の各地を巡りながら、謎と事件を追う。バス停で何かを待つ男、神社の狐の前掛けの意味、和菓子屋に通う謎の外国人、殺人鬼が逃げた理由、ミステリー作家の死の真相…。解決するのは、家で待つ麗しき妻!?謎解きの面白さと旅の魅力が融合した、大人のための“散歩ミステリー”。ゆっくり味わいたい、心にしみる一作。
著者等紹介
西村健[ニシムラケン]
1965年、福岡県生まれ。東京大学工学部卒業。労働省(現厚生労働省)勤務後、フリーライターに転身。96年、『ビンゴBINGO』で小説家デビュー。『劫火』『残火』で日本冒険小説協会大賞(第24回、29回)、『地の底のヤマ』で第33回吉川英治文学新人賞と第30回日本冒険小説協会大賞を受賞。2014年、筑豊ヤクザ抗争を描いた『ヤマの疾風』で第16回大藪春彦賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yukision
83
元刑事の定年後の趣味は路線バスでの都内町巡り。その中で見かけたちょっとした謎を解き明かしていくが,実際に解くのは安楽椅子探偵役の妻というのはよくある設定。しかしながら,偶然見かけた人に抱く疑問は,元刑事であることに加えて,時間に余裕がある定年後ならではという点で自然に受け入れられる。都内に土地勘があれば猶更面白そう。2022/06/08
のぶ
75
この著者は過去に「地の底のヤマ」等の炭鉱を舞台にした男臭い作品を読んできたので、本作のトーンの違いに戸惑った。定年になった無趣味の刑事が、老後の楽しみに路線バスに載って都内を巡るという趣味を見出す。そこで出会ったに日常の謎を解き明かしていく短編集。バス巡りの行程や周辺の風景が良く描かれているが、自分は東京の地理に疎いのがもどかしいものの、発想が目新しく結構楽しめる。ただ、出てくる謎にさほど興味の持てないものが多かったのは残念。2017/03/28
ゆみねこ
71
元刑事の主人公はリタイア後も働いていたが70歳で全くの無職に。家に引きこもりがちの夫を気遣った妻が勧めてくれたのは「シルバーパス」を使った路線バスの旅。昔歩いた現場や出会った人々との関わり、謎ときも絡めて中々面白かったのですが、奥さまの言葉遣いに最後まで馴染めず…。都内でも東の方にはあまり土地勘がないので尚更かな?2017/10/20
やも
64
元警視庁勤めの男(70歳)がひょんなことから都バスに乗りまくり、遭遇した謎を解き明かす短編集。ライトに見せて意外としっかりミステリー!証拠を集めるとかじゃなく、閃きと優しさで解決してくカンジ👍街なかには人情が溢れてるんだって思えるような真相、好きだなぁこんな話💕途中挟まれる豆知識も楽しい。主人公のおじいちゃんがとっても優しい人で、奥様も素敵で、友達もかわいいおじいちゃんで…。どの話も最後には優しい気持ちで読了😊✨想像以上に良かった。あとこれ、もっとポップでかわいい表紙が似合うと思うな〜笑 ★4.52022/01/17
ぶんこ
62
バスが好きなので興味津々で読み始めました。主人公がシルバーパス利用世代の男性だからか、目的もなく乗り続けるというのは無いようですね。私だったら目的無しが殆どだろうな。元刑事という設定が面白かったし、都バスの「ヘェ〜」が多くあって面白かったです。それにしても年間2万円するとはビックリです。確か、制度が出来た頃は無料だったと思うのですが。男性らしく、辿り着いた先で昼飲みが楽しそうでしたね。奥さんの謎解きも面白かったですが、このご夫婦の話し方が昭和初期のようで、常に違和感がつきまといました。2017/05/25