内容説明
街のいたるところに突如現れ、市民の悩みを解きほぐす「櫃洗市一般苦情係」の職員、通称・腕貫探偵。その日、彼のもとにやって来たのは一週間ほど前に亡くなったという女性の霊だった。彼女はベストセラー作家・越沼霞巳と名乗るが、その作家は五十年前に亡くなっているはずだ。五十年前に死んだのは誰だったのか?なぜ女性の魂は今なお現世を漂っているのか―。シリーズ史上、最も不可思議な謎を腕貫探偵が鮮やかに解く!!
著者等紹介
西澤保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。95年に『解体諸因』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
147
腕貫探偵その6。連作短編集。このシリーズでは前にもありましたが(多分)腕貫さんなしで解決してあれってなることも・・・。毒薬の輪廻が一番よかった。2016/01/19
スパシーバ@日日是決戦
102
B (2016年) 櫃洗市の皆様へ。日頃のご意見、ご要望、なんでもお聞かせください。個人的な悩みもお気軽にどうぞ」。神出鬼没する市民サーヴィス課臨時出張所の男性職員(一見すると丸いフレームのメガネをかけ、黒い腕貫を嵌めたマネキン人形のよう)の元に持ち込まれる謎は、一筋縄ではいかぬ相談ばかり。短編の評価は以下の通り。「◎ 氷結のメロディー」「〇 毒薬の輪廻/指輪もの騙り/追憶」。犯行に至るまでの経緯が明らかになることで読者を驚かせる趣向は健在。恨みつらみが限界に達した時、人は一線を越えてしまう..。2016/05/24
aquamarine
69
短編集。腕貫さんは、相変わらず苦情係として座って話を聞くだけです。事件や謎は連続自殺事件や殺人事件など重くて結構ドロドロしてて爽やかではありません。それぞれのお話が問題を抱えている本人視点なので腕貫さんがが出てくるのは章のラストだけ。見事にぽんっと真相を語ってくれるのでそれも数ページで済んでしまいます。ユリエももちろん出てきますが、絡みも少なくてそれも含めてもっと腕貫さんを見たかったです。最後の話はなんと相談者は幽霊。彼女がちゃんと見えて話ができる腕貫さんの方が事件より謎かも。2016/03/20
papako
58
腕貫さん最新刊。西澤さんのシリーズにしてはちゃんと腕貫さんが出ている。ただ超絶推理のキレってほどではないかなぁ。謎も想定内。毒もそんなに強くない。グルメ成分も少なめ。さらっと楽しむにはいいけれど、ちょっと不満。新しいキャラ登場で、まだまだ続ける気満々なんでしょうか。2016/03/25
さっちゃん
49
今回の事件はとくにドロドロしたもの多目な印象。さらっと書かれているけど、けっこうエグい人間関係がベースに。腕貫さんの登場場面は少なめだけど、たとえ幽霊でも相談するときは名簿に名前を書かなきゃいけないなんて、型にはまった公務員らしい対応にちょっと笑ってしまった。死亡後も市民サーヴィスを受けられるなんて、やるわね櫃洗市。2021/09/25
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