内容説明
スイッチ押せばほんのちょっとの奇跡が起きる。昭和47年9月8日。同じ日、同じ病院で生まれたふたりの赤ちゃんがたどる40年―名手が紡ぐ「ぼく」と「おれ」の物語。
著者等紹介
朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年北海道生まれ。2003年「コマドリさんのこと」で第三七回北海道新聞文学賞、04年「肝、焼ける」で第七二回小説現代新人賞を受賞、同作収録の『肝、焼ける』で05年単行本デビュー。09年『田村はまだか』で第三〇回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん🍊
76
昭和47年同じ日に同じ場所で生まれた全然別の人生を歩む二人の男性の40年、その時代の出来事と共に淡々と語らる、人生の地図の中にスイッチは無数にあってどのスイッチを押すかで人生の地図の行先は変わっていく、最初は二人の人生がどう交わって行くのかなと楽しんでいましたが、女性たちがあまり共感できない上に栄人の生き方もあまりにおぼっちゃま過ぎて如何なものかと読み終わってう~んと唸ってしまいました。2015/05/15
風眠
71
「スイッチは無数にある」そう、私たちは意識的にしろ、無意識的にしろ、常に何かを選択するスイッチを押しながら生きている。スイッチを押し、開いた扉の向こうに続く道へと踏み出す。上手くいく時もある、上手くいかない時もある。それでも歩き続けた道は、やがて地図=人生となる。昭和47年9月8日、同じ病院で生まれた「ぼく」と「おれ」。二人が押した無数のスイッチと40年の歩み。優越感は努力と我慢を「ぼく」から奪い、劣等感は「おれ」の不屈の原動力となった。流されるだけではいけない。幸せのスイッチは自分の意思で押さなければ。2015/09/21
BlueBerry
64
ストーリーを楽しむよりも、あの頃どんな事があって若い人達がどんな風に考え行動し生きていたかを懐かしむほうが比重が大きかったように思います。割と年配の方にはお勧め出来るけど若い人には楽しめないような気がします。序盤○中盤○ラスト○総合○2014/12/19
なゆ
62
う~ん…という感じのふたつの人生40年。同じ日に同じ産院で生まれた二人の男の子の、それぞれの人生の節目ごとのスイッチを回想するように描く。どこか対称的なようで、どちらもなんだかもどかしいんだな、これが。そして、この二人にあまり接点がないようであるような微妙さも。意外に楽しんでしまったのが、年代ごとの主な出来事や紅白歌合戦のデータ。二人の人生にもそういうのが反映されてるし。つい、私はその時は…と遠い目でぼんやりしつつ読むのも好きだったり。それはそうと、カッコつけぞう君がちゃんとやれてるのか疑問だな~。2015/01/17
ちゃんみー
55
いろんな局面で選びとってきた自分の道が大木の幹だとするなら、選び取らなかった道がそれの枝のように派生しているのでしょう。既に人生の半分以上を生きてきて、今まで押してきたスイッチが正しかったのかどうかと自問してみるも答えは出ず。でもこれが自分の人生だから。2015/05/10




