内容説明
幻の脚本を撮るために集結した異能の映画職人たちの全人生を賭した奮闘を圧倒的なスケールで描く!
著者等紹介
真藤順丈[シンドウジュンジョウ]
1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で第3回ダ・ヴィンチ文学賞、『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞など、新人賞4賞を受賞し、注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
80
ある監督が癖のある映画職人を集めて映画を撮る。そういうお話です。前半で描かれる各人の紹介のようなそれぞれの物語は、どれもが珠玉の短編であり、繋がる後半はそれら主人公たちが集まり1本の映画を撮影していくという全く贅沢な長編。「映画」というものに憑かれた者達は、障壁や憂いを突き崩し、自らの業を背負いながらも、その情熱は希望を与え合い天使さえも。堪らない程素敵な小説、真藤さんの本に出会えて本当に良かった。2018/09/15
Gamemaker_K
11
楽しいお話だった。登場人物が全員ひとくせあって楽しい。主要キャラを一人ずつ短編で紹介して本編突入という流れもよかった。長いけど、冗長じゃない。堪能しました。2014/04/19
メルコ
9
かつて映画の魔に魅せられたものとして気になっていた一册。ストーリーは曰く付きの脚本を映画化するため、特異なキャラクターのスタッフが集められるが、謎の妨害などトラブルが続くというもの。粗い印象を受けるが、作者の映画製作への愛情が強く感じられ、一気に読ませる。妨害などのトラブルの背景などピンとこないところもあるものの、映画を作ることの面白さ、過酷さが伝わり、読み応えがあった。2017/08/21
遊々亭おさる
9
亡くなった日本映画の重鎮、皆晃さんに託された脚本を本編に仕上げんと、監督・俳優・製作…、すべての映画人たちの情熱が迸る一冊。映画好きを越えてマニアの風格が漂う真藤さんなれど、9つの短編とひとつの長編をカップリングして物語作り上げるという、映画化するのは難しそうな、けったいな手法を用いているのは小説家としてのプライドか。翻訳物によくある文章の合間に註釈が頻繁に入っているのが狙いでやっておられるのだろうけどちょっと読みにくい。やっぱり小説ってリズムが大切なんだね。マニアによるマニアのためのマニア小説でした。2014/03/25
ミズノ
7
映画への愛と製作の過酷さを描いた物語。前半と後半でそれぞれ一本分のボリュームがある大長編。それぞれのキャラクターが立っていて、一同に会するところとか絶妙なバランスで徐々に高めあっていくところは胸が熱くなる。とにかく面白い。タイトルもめっちゃいい!2019/01/04




