内容説明
キリシタン武将・小西行長の暴虐な攻撃に僧兵・元信が立ち向かう―十六世紀末に日本軍三万人と朝鮮軍五千人が激突した「幸州山城の戦い」を材に、伝奇小説の旗手が直球勝負で挑む、大興奮の歴史活劇巨編。
著者等紹介
荒山徹[アラヤマトオル]
1961年富山県生まれ。上智大学卒業後、新聞社、出版社勤務を経て韓国に留学。1999年『高麗秘帖』で作家デビュー。2008年『柳生大戦争』で第2回舟橋聖一文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
魔魔男爵
3
禿鷹はドイツ語でガイエスブルク、銀英伝のガイエスブルク要塞ネタかと思った諸兄残念でした。怪獣、妖術、忍法、剣法を封印した正統派時代活劇。要塞攻略戦の冒険小説に通じる面白さがあります。朝鮮正規軍に入れてもらえなかったはみ出し者の僧兵が、弟子とたった3人で義勇兵を募り、5000人集めて3万人の日本軍と戦う話です。味方が増えていく過程、戦死していく過程を愉しむ正統派要塞攻防ものです。最後の大逆転の秘策を発動するのが女性たちであるのも、ジェンダー観も素晴しい、さすが21世紀最高の時代小説家の荒山の新境地の大傑作2013/10/20
UI
1
同著者三冊目。冒頭、またも朝鮮&秀吉の組み合わせにいささかうんざり。しかし今回の主人公は英雄豪傑ではなく風采の上がらぬ坊主である。これが思いがけぬ活躍…云々という展開。案外面白かったというべきか。いや、やっぱり剣豪と魑魅魍魎の方が割り切れば面白いかもなあ。しばらくこの人はお休みにする。2013/06/25
春風
1
得意の伝奇は封印して籠城戦を正面から描いた作品。物足りなく感じるのは荒山イズムに侵されているからか。2013/02/16
ピエール
1
秀吉の朝鮮出兵の一部を題材にした歴史戦争もの(というようなジャンル分けがあるのかどうか知らないが)。少々コミカルなタッチで描かれた部分もあり、それほど構えずに読むことができます。ちょっと。それは嘘でしょう。という部分もありますが、そこまでリアリティーを求めた作品ではないのでしょうから。 日本人が朝鮮の焼き物を買い漁るあたり、茶道が確立され利休によって高麗茶碗のシンプルさが最高のものであるとされた時代でしょうから、なるほどなと思いました。(ストーリーとあまり関係ないところに関心してしまいました)2013/01/22
辺野錠
1
「徳川家康」の前日譚だけどそっちとは違って伝奇色は薄い正統派な時代小説。籠城戦というシチュエーションなので個性ある仲間が戦って散っていくのが泣ける。あと最近の荒山徹作品の傾向だけどキリシタン外道過ぎ。前日譚なのでやっぱり「徳川家康」を読み返したくなった。2013/01/07