あの日にかえりたい

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  • サイズ B6判/ページ数 267p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784408535746
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「できることなら、俺はあの日に帰りたい。帰りたいんだ。帰って女房を…」車いすの老人が語った言葉の真意とは―表題作ほか、時の残酷さと優しさ、そして時空を超えた小さな奇跡と一滴の希望を描く、著者渾身の6篇。

著者等紹介

乾ルカ[イヌイルカ]
1970年札幌市生まれ。2006年、短編「夏光」で第86回オール讀物新人賞を受賞し、翌年同作を収録した短編集『夏光』で単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

七色一味

121
読破。誰にでもある「あの日あの時」をテーマとした短編集。このテーマでハッピーエンドは望むべくもないかもしれないが、読んでみると、それなりのハッピーエンドと言えなくもない感じだったかな。誰にとってのハッピーか、と言う問題かと。印象的だったのは『did not finish』と『夜、歩く』。表題作と『翔る少年』はエンディングにちょっと無理がある感じがした。2013/06/13

とん大西

111
ユーミンっぽいタイトルになんとなくそそられ、予備知識なく読んでみたら…ん〰心奪われました。忘れがたき『あの日』、人生の岐路となった『あの日』。『あの日』と『今』の邂逅を幻想的に切なくつなぐ6つの物語。静かに沁みました、穏やかに響きました。愛しき日々への郷愁-ささやかなノスタルジーは時に今日の糧となり明日へののぞみとなる。哀しくも優しい素敵な話ばかりでした。「翔る少年」、「夜、あるく」がとくに良かったです。2020/01/05

ちはや@灯れ松明の火

103
二度とは戻れない場所へと、あの日の忘れ物を取りに行こう。前ばかり向いて生き続けていられるほど人は強くなくて、時の流れも死も覆せない。けれど、ほんの一時だけでもいいから、逢いたい人がいる。いじめられっ子が見つけた未来の目標、地震に引き裂かれた家族の絆、命を絶った妻のためにできること、十五年の空白を隔てた友との再会、生死の境を彷徨うスキーヤーの走馬灯、ハクモクレンの木が繋いだ縁。音もなく舞い散る雪に似た、触れた傍から消えてしまう淡い奇跡が、心に突き刺さった氷の棘を解かして、明日を生きていく勇気へと変える。 2011/06/18

遥かなる想い

99
誰もが心に秘める「あの日」への想いを綴った短編集である。底に漂うどうしようもない 喪失感が 哀しく心に残る。 もしあの日に戻れるならば、何をするのだろうか?そして その選択は何を導くのだろうか? 定番だが、心落ち着く作品集だった。2022/06/03

takaC

93
直木賞候補にあがったことが納得できたと同時に、受賞できなかったことも納得できた。しかし、本読みの視点では十分読書を楽しめる本だった。2010/09/28

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