内容説明
元刑事で、今は気楽に軽食喫茶を営む井手亮二―「私」は日タイ混血の貿易商・日本名を妹尾春雄という人物と再会した。春雄と私は、十七年前の二十代前半、数人の旅仲間とともにタイの安宿に集っていたのだ。レジーナという女性秘書に車椅子を押される状態になっていた春雄は私へ、十七年ぶりに昔の仲間たちに会いたいと言い出す。それはただ久闊を叙すだけではなく、当時夜行列車で旅行中、仲間の就寝時に転落死した川上という男を偲ぶ目的もあったのだが…。旅仲間の間で起きた不可解な事故死。十七年後、仲間が再会した直後に発生した新たな事件が、元刑事を灼熱のタイへと駆り立てる。『水上のパッサカリア』の著者が新たに挑む書き下ろし長編サスペンス。
著者等紹介
海野碧[ウミノアオ]
長野県生まれ。短歌結社「白夜」幹部同人。2007年、『水上のパッサカリア』(光文社)で第10回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こすもす
6
長々と話が続く 読み終わるまで何日かかったことか。 あまり面白みのない内容だった。気になったのは「レジーナ」っていったい何者?2017/05/24
りっつん
4
前作の「水上のパッサカリア」が良かったので・・・・。17年前にタイで出会った仲間達の一人春雄と偶然再会した後に起こる事件。元刑事で今は気楽に喫茶店のマスターをしてる主人公が春雄の秘書レジーナと事件の真相を探っていく・・・・。前作同様主人公は全く熱を感じさせない淡々としたタイプ。全体的にもそんな感じなのでもっと緩急をつけたりして見せ場みたいなものが欲しかった。独特の文章構成なのに活かしきれず。終わり方は悪くはなかった。2013/11/05
ophiuchi
4
話の展開に少々無理が目立つけど、まずまず面白かった。2011/07/19
hana
2
つまらないわけじゃないんだけど・・・なんか無駄に説明がくどいとこがあって中だるみしてしまうのが残念。この人の作風は好きな部類なので、次回作に期待。2010/11/05
ふう
2
もったいぶった文章に最後まで慣れず。うまく言えないけど、”いきなり場面が始まって、そのあとで実はこんなことがあって今こうなったのだ”みたいな構成にも慣れず。前作読んだときってこんなに読みづらかったかなー憶えてないけど。キャラが意外と平べったい感じだったし伏線がわかりやす過ぎたせいか展開がまどろっこしくて…だから読むのに時間かかったんだな。最近こういう舞台の話が多いせいか、セミドキュメンタリー読んだ気分。2009/05/14