薔薇忌

薔薇忌

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  • サイズ B6判/ページ数 240p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784408531281
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

美しい腐敗を夢見た劇団員の自死。焼け焦げた飾り櫛の桔梗模様に隠された秘密。きらびやかな舞台衣裳に火をつけた老人の幻想…。妖美の世界を鮮やかに表く巧者の傑作短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tomo*tin

17
舞台や芝居に纏わる短編集。毒々しく妖しく艶やかな情景に吸い込まれそうになる。腐爛してゆく薔薇の花弁。桶の水に映る祈り。首桶の中に閉じ込められた情念。狂い踊る二人の女。私は小函に誂えられた覗き穴から美しく妖艶な世界を息を潜めて見つめ、皆川さんの言葉に幻と現の境を忘れる。全篇素敵だったけれど「紅地獄」「桔梗合戦」「翡翠忌」が特に好き。あまりの美しさに時間を忘れた。2009/05/21

なずな

5
いつか、私も出会うかもしれない。ここにいるはずもない、出会うべき人に。人が生きていくには理由が必要で、でもそれは自分では分からない。この短編集ではそれを教えてくれたのはここにいないはずの人である。そしてそのエピソードは色鮮やかで透き通って、やがて崩れて行く。「薔薇忌」「祷鬼」「化鳥」が好き。想いが消えてゆくから。2009/10/03

Ruto

2
図書館。皆川博子作品。狂言や歌舞伎などの舞台をめぐる短篇集。皆川博子の妖しい独特の世界観が広がる。2020/04/03

彩也

2
演劇に関わる人たちに訪れた、妖異と狂気。舞台というものは、ライトが当たる部分は煌々と明るく、一方で光の当たらぬ場所の闇はより濃く感じられる。そんな舞台の片隅や裏に潜む何者かが語った話を集めたかのようだ。ところで、最後の『翡翠忌』の小劇団のモデルは花組芝居か新感線か。2011/11/14

草津仁秋斗

1
芸能にまつわる、皆川博子の妖しくも美しい短編集。今の皆川になる前で文章はやや軽いが、妖艶さと死の気配が漂う独特の魅力は健在。2014/08/08

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