内容説明
母・雪江の発案で三河への旅に出かけた名探偵・浅見光彦。旅先の「殉国七士の墓」で出会い、ふたりに説教までした愛国老人が、翌日吉良町の海岸で死体となって発見された。全身には高い崖から転落したと思われる激しい打撲の跡があった。しかし、現場にはそのような断崖はない。となると、まるで「名も知らぬ遠き島より…」と島崎藤村の詩にも歌われた椰子の実のように、死体は別の場所から流れ着いたのだろうか。一体犯行現場はどこなのか!?一度は警察に疑いをかけられた浅見光彦が、美しい海岸に仕掛けられた完全犯罪と、その背後に隠された悪意に迫る、傑作長編旅情ミステリー。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
コピーライター・CM制作会社経営を経て、1980年処女長編『死者の木霊』でデビュー。『後鳥羽伝説殺人事件』で初登場した浅見光彦は、もっとも人気の高い探偵役である。ファンとの交流をはかるため軽井沢に設立された「浅見光彦倶楽部」は、2005年で12期目に突入。入会者総数は2万人を突破した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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