内容説明
東京の町づくりの主役は「湧水」と「川」だった!神田川、渋谷川、石神井川。もう見えなくなった赤坂川、宇田川、藍染川。微地形を利用して作られた玉川上水。それぞれの川が刻んだ谷と丘の上に注目すると、まったく新しい「水が作った東京の歴史」が見えてくる。谷と丘で何が違うのか?川が作った微地形、微地形が作った東京を散歩しながら把握しよう。
目次
第1章―江戸城建造の濠と水源(東京の地下鉄が地上に顔を出す理由―徳川家康の都市づくりのせいだった;東京駅は入江の中、銀座は半島だった―中世末期と明治初期の海岸線比較;城と町、大土木工事の開始―日本橋方面へと川を大移動;内濠建設では半蔵濠に注目―千鳥ヶ淵と桜田濠へのそれぞれの水源とは;地形がいかにも不自然!―御茶ノ水駅付近の神田川は幕府の洪水対策;明治時代、都心屈指の難工事区間―18年かけて御茶ノ水付近の線路が完成;外濠造成も二つの川を利用―四ツ谷と赤坂見附の間にある分水界)
特集 マイナスの標高と「水」(東京下町低地の「海面より低い土地」―荒川氾濫では浸水が長期にわたる地も)
第2章 川を見下ろす権力の館(神田川を見下ろす高台その1―東京一、深山幽谷を感じさせる地;神田川を見下ろす高台その2―総理大臣の邸宅が連なる南向きの丘;神田上水―日本で初めて作られた都市水道 拝まれる対象から疫病神への転落;小石川・大塚界隈―今はなき、大邸宅にあった池の数々)
第3章 複雑な谷が生んだ文化(古川沿岸、古い地形の台地概説―「無秩序に多い坂」に育まれた港区文化;麻布、六本木、飯倉界隈―丘上の屋敷町と丘下の庶民の町;古川沿岸低地、麻布十番商店街―都電廃止で衰退から賑わい復活まで;白金、高輪、御殿山、島津山―工場地帯を見下ろす企業家の邸宅群)
第4章 廃川跡と江戸の上水道(渋谷・原宿・新宿御苑―地下に潜った渋谷川を遡って源流部へ;神田川から目黒川、呑川、渋谷川へ―水がないのに清流のある川のからくり;石神井川が王子の台地を突き破った!?―上流を奪われた藍染川、渓谷美の滝野川;玉川上水―「奇跡の地形」が可能にした江戸の上水道)
著者等紹介
内田宗治[ウチダムネハル]
地形散歩ライター、フリーライター。1957年東京生まれ。実業之日本社で旅行ガイドブックシリーズ編集長などを経てフリーに。旅と散歩、鉄道、自然災害、産業遺産に関するテーマで主に執筆。廃線跡歩きと廃川(はいせん)跡歩き、「歩き鉄」(歴史ある路線沿いを歩き尽くす)を実践中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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