出版社内容情報
昭和の時代、街の片すみにひっそりとあった鉄道の痕跡、136景!
1993年に写真集『棄景』を発表、瞬く間にベストセラーとなり、日本写真協会新人賞を受賞。世に「廃線」という存在を知らしめた、廃線写真のパイオニアにして唯一無二の存在であり続ける天才写真家・丸田祥三が、幼きころから昭和末期にかけて撮り続けてきた、まだ美化される前の昭和時代の廃線の光景。
1970~1980年代、都心にもたくさんの廃線跡があった。役目を終えたそのままだったり、「とりあえず」と埋められた線路たち。少し街を外れれば、野山の中や公園の片すみに鉄道車両がひっそりと保存されていた。バブルで「再開発」される少し前の時代、子どもたちにとっての秘密基地が、そこにあった。そうした廃線跡や廃車体は、バブルに沸く世の中から顧みられることなく、ひっそりと存在し続けた。そして、ある日、フッと消えてしまった――。そんな、幻のような、しかし、確実にそこにあった「昭和の棄景」を、136点、収録。
52年に渡り、廃線風景を探し続けてきた著者が、鉄路の残照、あるいは、そのわずかな痕跡を美しく撮り下ろし、ブックデザインの第一人者・祖父江慎氏の装幀とアートディレクションにより、最高レベルの美しい印刷で仕上げました。作品点数は一般的な写真集の約3倍という『廃線だけ 昭和の棄景』は、電子書籍にする予定はありません。「印刷物」ならではの鑑賞の歓び、そして「本」を所有する楽しみとともに、ぜひ一緒に「廃線だけ」の秘密基地のような光景を探険してみてください。
【目次】
内容説明
廃線、探検してみる?秘密基地っぽい鉄道の跡136景。街の片すみ、知られざる光景。昭和が美化される前に。
著者等紹介
丸田祥三[マルタショウゾウ]
写真家。1964年東京都新宿区生まれ。父は将棋棋士九段・日本将棋連盟元会長の丸田祐三。幼い頃より写真を撮り続け、1980年代初頭より作品発表を始める。「棄景」「廃景」といった廃墟用語の作者であり、その作品は今日の“廃墟写真”の源流と賞される。東映株式会社テレビ事業部勤務を経て専業の写真家となり、1994年、廃墟写真集『棄景』で、日本写真協会新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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