内容説明
あの騒動からちょうど20年。当時「むつ」に乗船、出力上昇試験の総括責任をつとめた技術者が、怒りをこめてここに沈黙を破った。予期しなかった事態に緊迫する船内、孤独な戦士たちの苦悩…。この迫真のドキュメントには、日本の技術開発の一つの顛末と、そこから得られた教訓が明示されている。
目次
第1部 「むつ」漂流す(出航序章;緊迫の船出;嵐の中を行く;臨界試験;“怪物”の出現;放射線レベル異常;中性子検出;限られた通信手段;ホウ素飯作戦;「遮蔽調査団」派遣;原子炉出力レベル;漂流の始まり;事態打開へ;洋上会談;随伴船ヘラクレス;船長の孤独;襟裳岬;上陸;専門家会議;「むつ」帰る)
第2部 検証『「むつ」放射線漏れ問題調査報告書』(誰が為に警報は鳴る;それでも放射線は漏れる;『報告書』への疑問、異論)