出版社内容情報
「お父さん、やくそくだよ。お父さんのやいたパンを食べさせてね。黒パン、ジャムのドーナツ、クロワッサン……」女の子はいいました。お父さんは、おいしいパンをやくのが生きがいのパン職人でした。ようやく夢をかなえて、お店を持ったばかりでした。ところが、爆撃にあって、お店は――。平和への願いがこめられた絵本。
内容説明
「お父さん、やくそくだよ。お父さんのやいたパンを食べさせてね。黒パン、ジャムのドーナツ、クロワッサン…」―平和への願いがこめられた絵本。
著者等紹介
最上一平[モガミイッペイ]
『銀のうさぎ』で日本児童文学者協会新人賞、『ぬくい山のきつね』(ともに新日本出版社)で日本児童文学者協会賞、新美南吉児童文学賞、『じぶんの木』(岩崎書店)でひろすけ童話賞、『たぬきの花よめ道中』(岩崎書店)で日本絵本賞、『じゅげむの夏』で産経児童出版文化賞受賞
北見葉胡[キタミヨウコ]
2005年、2015年ボローニャ国際絵本原画展入選。2009年『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(小手鞠るい作/講談社)でボローニャ国際児童図書賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とよぽん
47
最上一平さんの新刊ということで、新着図書から。タイトルと表紙絵からは、この絵本の内容が予想できなかった。しかし、読み進めるうちに緑の葉っぱが何の象徴なのかはっきりしてくる。北見葉胡さんの絵もとても良かった。最初と最後に登場する白いハトも、この物語の語り手としてふさわしいと思った。2025/01/06
どあら
31
図書館で借りて読了。哀しいお話…💦戦争なんて愚か者のすること‼️ 2025/04/17
みさどん
25
戦争で土地を離れ避難する親子。パパは残ってパンを焼き続けるという。最後にそこで一緒に作った土のパン。日本なら泥団子のはず。そこに乗せられた一枚の葉っぱ。微笑んで見送るパパと涙を流し続けるママと女の子。最後に分かる理由が、戦争の辛さを突き付ける。淡々としたやり通りに違和感を感じたら、こんな空想もあるのだと。2025/03/10
anne@灯れ松明の火
20
新着棚で。北見葉胡さんのかわいい表紙に惹かれて手に取った。しかし、袖に「遠くで砲撃の音がします」とあり、これは戦争の話なのだとわかった。表紙もよく見れば、女の子の顔は笑ってはいない。街は爆撃され、州境の橋も壊れかけている。橋のたもとで、パン職人の父と娘と母が話している。一緒に逃げようという娘たちに、父は街を守るために残るという。兵隊でもないのに、なぜ? その疑問は終盤に解け、胸がしめつけられた。焼けた街の描写と明るいパン屋の様子が交互に出てきて、かえって平和の尊さを鮮明に伝えている。多くの人に読んでほしい2024/11/07
ヒラP@ehon.gohon
11
【再読】大人のための絵本2025/04/20