出版社内容情報
思いがけず文芸部に所属することになった栞奈。自分に自信がなくとまどうばかりの栞奈だったが、臆せず書くことに挑戦し、講評に一喜一憂する仲間に刺激を受ける。どうやらものを書くということは、自分をさらけだすことらしい――栞奈は読書し、やがて俳句を作り始める――「校門を出て春の空動かない」。
内容説明
思いがけず文芸部に所属することになった栞奈。わたしも、わたしの言葉を見つけたい―。
著者等紹介
おおぎやなぎちか[オオギヤナギチカ]
秋田県生まれ。みちのく童話会代表。『しゅるしゅるぱん』(福音館書店)で児童文芸新人賞、「オオカミのお札」シリーズ(くもん出版)で日本児童文芸家協会賞受賞
彩田花道[サイタハナミチ]
暮らしに射す光を描くイラストレーター。小説の装画や挿絵の他、広告やWEBコンテンツのイラストを制作している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪丸 風人
16
ビブリオバトルってこんなに気づきが溢れてるんだ!表現者の矜持に驚かされる場面も少なくありませんでしたよ。主人公は入学したての中学生。偶然に導かれ文芸部の戸をたたいた彼女が、変人ぞろいのあったかい場所で、自分を表現するよろこびに目覚めていきます。大事なものなど何もなかった少女が、創作道に迷い込み、新しい気持ちを知り、自身を”特別”にしていく展開の爽やかさが沁みましたね。とくに終盤はグッときたな~。これ以上ないってほど綺麗な終幕なのに、彼女の物語の先を知りたくなるほどでしたよ。(対象年齢は11歳以上かな?)2025/01/25
joyjoy
11
中学校に文芸部、いいなぁ。流れでたどり着いたという栞奈だったけれど、活動していくうちに人の心を動かす言葉の力に気づき、「ここから、始めよう」という決意をする。ビブリオバトルで栞奈が「よあけ」をとおして自分を語る場面はグッときた。「人形の旅立ち」が取り上げられていたのも嬉しかった。部活選びに悩んでいる息子を思いつつ読む。2025/04/16
Gamemaker_K
10
ちょっと諸々の事情があって、読んでみました。展開に浮き沈みが少なくふわっとした読後感だったが、ここで描かれている文芸部って部活の姿としては実に理想的だと思った。こんな文芸部だったら俺も入部してみたいと思ったよ。・・・中学の時の部活は、上級生はおっかない不良ばかりだったし、同級生は競技力に比例して意地悪だったし、全然いい思い出がない。小学校からやっていた競技だったが本当は違う部に入りたかったんだ。でも唯一の道場友達が「一緒にがんばろう」っていうから入部したところそいつが速攻で転校しちゃったもんだからさ。2025/03/31
イカまりこ
9
部活動を紹介するシリーズなのかな?これは文芸部。部室である図書室を最近は学校図書館って言うらしい。説明的なとこが気になったけど、物語はとても心に染みる。両親の離婚で心がモヤモヤしてる女の子が、そのモヤモヤを言語化して人に打ち明けられるようになる話。言語化のプロセスを俳句の推敲を通して考えさせてくれた。木下龍也さんの『すごい短歌部』で木下さんが短歌を作り上げていく手順と同じだ!って興奮。ビブリオバトルに出てくる本やエピソードも読者層に知ってほしいことばかりで勉強を意識させずに自分の意見が持てそうな本だった。2025/02/23
杏子
8
小説としては微妙だったけと、言葉を考えるという意味では面白かった。図書室ではなく、学校図書館の認識で語られるところや、本を伏せて置いてはいけないところとか、ビブリオバトルのこととか。かなり好印象。こういう部活もあり、かもしれない。 読みやすいのでいいと思う。2025/02/15