出版社内容情報
姫川中学校みがき部部員は、海で見つけた石を研磨機と紙やすりでひたすら磨く。長い年月をかけて潮(しお)にもまれ、海辺に打ち上げられた石ころたち。どんな石だって、磨けばびっくりするくらい輝き出すのだ――。教室に居場所がないと感じ、一人ぼっちの自分を恥じていた灯可里(ひかり)は、みがき部で大切な仲間と出会う。
内容説明
どんな石ころだって、磨けばびっくりするくらい輝き出すんだ!
著者等紹介
横沢彰[ヨコサワアキラ]
新潟県糸魚川市生まれ。『まなざし』(新日本出版社)で日本児童文学者協会新人賞受賞。日本児童文学者協会会員。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」、「サークル・拓」所属
佐藤真紀子[サトウマキコ]
東京都生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シナモン
100
実在する姫川中学校研磨部をモデルに描かれた物語。学校でなんとなく孤立感を感じていた中学1年の灯可理。ひょんなことから入部することになった「みがき部」での活動を通して灯可理の学校生活がいきいきと動き出す…。 灯可理が「みがき部」という居場所、仲間に出会えて良かった。「いっしょにいながら、みんな、それぞれ。それぞれなのに、いっしょにいられる」「一人でいることは、不安でも、さびしいことでもないさ」この考え方。思春期の子どもたちに読んでほしい素敵な一冊だと思いました。糸魚川の海岸に行って石探ししてみたい! 2025/02/04
雪丸 風人
15
実在する糸魚川中学研磨部を参考にして描かれた物語。主人公は人目が気になるおとなしい中学一年生です。海岸の石をめぐる出会いをきっかけに、世にも珍しい「みがき部」に関心を持った彼が、優しい先輩や個性派の同期と過ごすなかで、自分を貫く勇気を身につけていきます。正直、地味男子が地味な活動に励む展開に盛り下がりかけましたが、バレー部が絡む展開あたりからグンと面白くなった!ここでの先輩の勇気ある振る舞いには、主人公だけでなく私も釘付けでしたよ。難しい題材を盛り上げ救ったのも、まさしく彼。(対象年齢は11歳以上かな?)2024/05/13
joyjoy
9
「一人でいることは、不安でも、さびしいことでもないさ」。ひとり、を受け入れられるようになると、自分だけではなく、まわりのひとのことも、受け入れやすくなるのかな。ひとり、のときを味わえるようになることで、みんなで一緒に、のときもの喜びもより深まるのかな。誰かに受け入れられていることで、それを感じることで、ひとりの怖さもなくなっていく気がするし。ひとりでいることも大事、みんなでいることも大事だな。ひとつひとつ、ちがう石。ひとりひとり、ちがうわたしたち。みがくって、楽しそうだな。とりあえず、包丁を研ぐ。満足。 2024/06/24
西澤 隆
9
糸魚川中研磨部をモチーフにした物語は、よくわからないけれどグループ毎の居場所を確保しなければしんどいと感じる子に対しての「ひとりで自分のペースでやっているひとたちだって、ちゃんと人のつながりは見つかるのだよ」というあたたかいエール。そして金銭的価値とは別の「自分だけの大切なもの」を探し、愛で、磨くことの「!」を伝える物語でもあります。ご近所中学校でつい先日まで先生されていた著者の方だけに、登場人物の中にモデルの子を感じたりもして、物語の中での「彼」の描き方に現実の「彼」へのエールも感じ、うれしくなりました2024/05/03
ビオラ
4
各々のペースでゆったりと時が流れてて、無の境地で石を磨く。いろいろあって傷めた心が癒される部活だなぁ。良いなぁ。2025/04/07