出版社内容情報
男女賃金格差、夫婦同姓の強制、堕胎罪。日本の異常なジェンダー不平等は、明治期につくられた差別と財界主導でつくられた差別が原因だった! 常に国民とともにある政党として、ジェンダー平等やLGBTQの権利を守るための政策を、歴史と世界に学んで提示。寄せられた質問への応答、党の自己改革についても綴った一冊。
内容説明
男性も女性も、誰もが自分らしく生きられる社会へ。日本共産党の提案と実践。
目次
序章 日本共産党はなぜジェンダー平等を綱領に掲げたのか
第1章 ジェンダーってそもそも何?―理論編(気づこう!ジェンダーの壁;政治によって押しつけられたもの ほか)
第2章 世界の流れはどうなっているの?―歴史編(「世界の構造変化」がジェンダー平等を後押ししてきた;女性差別撤廃条約の制定と、その具体化・実践 ほか)
第3章 ジェンダー平等後進国から抜け出すために―政策・実践編(働く場でのジェンダー平等を実現する;選択的夫婦別姓制度の導入 ほか)
第4章 未来社会とジェンダー平等―古典編(マルクス、エンゲルスの女性解放論;あらゆる性差別、性暴力の根を断つ)
補章 みんなで議論し、考えよう―Q&A
著者等紹介
坂井希[サカイノゾミ]
日本共産党ジェンダー平等委員会事務局長。1972年生まれ。東京大学教育学部卒。在学中、「就職難に泣き寝入りしない女子学生の会」初代代表をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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樋口佳之
48
政策的定言の中で使われている「家族的責任を持つ労働者」がその責任を果たす事の出来る労働のルール。「家族的責任」があることは大事だなと。ただ、この観点と「起源」でエンゲルスが語る「私的家政」すなわち子どもたちの扶養と教育を、個々の家族におしつけるのではなく、「社会的産業に転嫁させる」ことは、どのような回路で接合するのだろうか。2024/02/11
kenitirokikuti
7
佐藤優が日本共産党100年批判本に、志位が日共流問い詰め術をアピって得意気になっている所を引用していた(引用は本書ではないが)。相手の案を引き出すのではなく、返事が是でも非でも不都合になる選択肢を持つ問いの回答を強いるというもの。まぁ、そもそも批判者の存在を許さないタイプの組織なので当然か。また佐藤の見解になるが、党生活により道徳性を高めるという性善説な発想があり、自分もそこが厄いと思う。2024/03/24
二人娘の父
7
著者は日本共産党中央委員会ジェンダー平等委員会事務局長であった(1月の大会で任務変更)。日本共産党がこの課題に取り組むことになった経過、理論的課題、そして実践など、日本の政党として考えうる限りの論点は網羅された著作となっている。タイトルにある通り、著者のスタンスはあくまでも「あなたと学ぶ」という、読者と視点を同じくしたもの。その配慮に、著者の人柄がにじむ。また党内の特に年配者が、この問題について単純な、直線的な理解や行動ができていない実情も率直に吐露している。総じてその誠実さに好感の持てる内容である。2024/03/19
ひろむりん
0
日本共産党が、ジェンダー平等を日本の政治革新の中心課題と位置づけ、政策的にも、党の活動の面でも、重視していることが良く伝わります。 特に、政策分野別に、ジェンダー問題をどう捉え、何を変えていくべきか、まとまった記述がされているのは、大変ありがたいです。2024/01/17