出版社内容情報
フランス支配下のアルジェリアでつつましく生きてきたジャコブと家族。ある日、ナチスから「祖国」を解放する戦いに、意味もわからぬまま動員された。兵士になると人間の身体や心はどうなるか? その家族は? 心の動きを瑞々しく映しだす独特の文体で、人間と戦争のリアルを描いて大反響を呼んだ現代フランス文学の傑作!
著者等紹介
ゼナッティ,ヴァレリー[ゼナッティ,ヴァレリー] [Zenatti,Val´erie]
1970年、フランス・ニース生まれ。作家、翻訳家、脚本家。13歳の時に両親と共にイスラエルのネゲヴ砂漠に移住。イスラエルで兵役を体験したのち、フランスに帰国、パリでヘブライ語とヘブライ文学を学ぶ。ヘブライ語教師を経て、翻訳家、小説家、劇作家となる。児童・ジュニア文学から戯曲、小説、エッセイまで執筆範囲は幅広い。イスラエルでの兵役体験から生まれた『私が兵士だったとき』(2004年)でアドリザン賞受賞。児童文学『瓶に入れた手紙』(2005年)ではラ・フォワール・ドゥ・ブリーヴ・ラ・ガイヤルド賞をはじめ、多くの児童文学賞を受賞。大人向け小説としては4作目となる本書は2014年にロリヴィエ社より刊行、フランス・アンテル賞をはじめ10文学賞を受賞した
長坂道子[ナガサカミチコ]
1961年愛知県生まれ。作家、ジャーナリスト。京都大学文学部卒業。日本でファッション誌の編集者をした後、渡仏。スイス・チューリッヒ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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林芳
1
手に取ることが出来てよかった。フランスの植民地アルジェリアのユダヤ人家族。ここからして全く認識のない世界。そして第二次世界大戦からアルジェリアの独立までの時代。そうか。ヨーロッパでの第二次世界大戦は何もヨーロッパだけの話ではなかったのだ。アフリカの多くの植民地も関係していたのだと初めて気づく。ジャコブという青年を通してその辺りが丁寧に描かれている。けれど何ともやり切れない。ヨーロッパ至上主義に巻き込まれる周辺の地域。同じ状況に置かれたインドや東南アジアだと情報は持っていたけれど、アフリカは盲点だった。2025/06/02
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