出版社内容情報
〝人生100年時代〟と言われ、「がん(認知症)にならない生き方、食事法」などの健康本、健康法のオンパレード。でも、それ信じていいの? へき地医療に携わり、〝人間は意外にうまくつくられている〟との確信から、老いや病気に無理に抗うのではなく、高齢期をポジティブに生きる心構えと知恵を優しく伝えます。
内容説明
へき地医療の診察室から贈るハートフルエッセイ。そろそろ「若さへのこだわり」をやめてみませんか?
目次
1章 「健康常識」にとらわれすぎていませんか?(「ダイエット」は本当に必要なのか;「やめてみる」ことでラクになれる)
2章 生身の人間に向き合う(歯科、口腔外科、のどからも;こころの問題と直結している ほか)
3章 高齢者、ワクチン、認知症、がんのこと(こころの荷下ろしをして;高齢者は薬づけ? ほか)
4章 へき地診療医として働く(なぜむかわ町へ来たのか―中村哲さんを偲んで;医療過疎地で気づいたこと ほか)
5章 やっぱり大切なのは「こころの健康」(精神科を訪れる人の移り変わり;うつ病予備軍の増加 ほか)
著者等紹介
香山リカ[カヤマリカ]
1960年北海道生まれ。東京医科大学卒。精神科医・総合診療医。2022年よりむかわ町国民健康保険穂別診療所副所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おくちゃん👶柳緑花紅
86
人間はうまくつくられているから老いても病んでも心配しすぎない。健康の目的は?何のために健康でいたいのか?食事を減らして、血液検査の良くしたいから?ここは大事!どんなにアンチエイジングに勤しんでも人は年相応に外見も身体の中も、そして脳も老いていき、変化が生じたり病気になったりする。これは生き物としてごく自然なこと。「老いも病も全部ひっくるめて私」6種類以上の薬は危険。医師との信頼関係も大事。自分を甘やかし肯定して心だけは健やかにいたいものだ。1日の終わりに感謝を忘れずに。2023/12/07
けんとまん1007
48
一般的に言われている「僻地医療」という言葉。そんな診療所での診察や、患者さん・地域住民との時間の中での思考が、今の自分に、とても響くものがある。自分の立ち位置・居場所をどこにおくのかが最初。そこから見えてくるものを、どう受け入れるのかが次。時間の流れを考えると、自ずと先の考え方が見えてくる。あるがままを受け入れることから。一旦、受け入れて、そこで考えること。人という字の成り立ちや、人と人との距離というものを考える。2025/02/02
明るい表通りで🎶
44
クスリの飲みすぎをやめてみる。やめてみることで楽になれる。「『物言わぬは腹ふくるるわざ』と兼好法師が言っています。我慢して物を言わないと、お腹にわだかまりができ、毒素となります。我慢せず、ほどほどに、言いたいことは言いましょう」瀬戸内寂聴。生きていると、いろいろある。人生いろいろあるさと、軽く流せる生き方をしたい。2025/04/06
ひめぴょん
16
期待していた内容と少し違いました。医療の在り方に切り込む感じの内容がけっこう多い。医療に携わっていない人にとっては少し当てが外れた感じになるのかもしれません。私は医療関係者として、真摯に受け止めないといけない内容だなと思いました。医療は何を目指すか。それは同じである必要はないのかもしれません。求める人が多様化する時代には、提供する人も多様化していいのかもしれません。以下は文中引用とミニ感想です。 自分の健康維持にさえも無頓着で、そのときどきでやりたいことをやって生きる方が、健康。→満足感が健康につながる気2023/08/15
まるちゃん
8
年相応を肯定的に受け入れ、自分に自信を持って毎日を生きるという心の健康が何より大切、だと。自分に対していくら優しくしてあげてもしすぎることはない、と。自分がいいと思うことを楽しんでやっていきたい、時には周囲の人に助けていただきながら。そして、自分も誰かの役に立っているだろう、と思いながら、日々淡々と生きたい。2024/09/08