内容説明
モナとおかあさん、おとうさんは、このくにでくらすために、とおくからやってきました。せんそうをしているくにから、にげてきたのです。
著者等紹介
ポワロ=シェリフ,サンドラ[ポワロシェリフ,サンドラ] [Poirot‐Cherif,Sandra]
1977年生まれ。ストラスブール装飾美術学校イラストレーション科、ダカール国立芸術学校卒業。2000年に、「絵とことばで物語をかたることが、なによりもすきだと気がついた」。それ以来、数多くの絵本を手がけているほか、幅広くイラストレーションの仕事をしている。ナンシー在住
水橋はな[ミズハシハナ]
1988年仙台市生まれ。出版社勤務を経て、現在、上智大学大学院、ソルボンヌ大学大学院在学中。フランス文学専攻。パリ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベーグルグル (感想、本登録のみ)
37
8歳のモナは家族と一緒にフランスへと渡り暮らし始める。最初は何だろうと思ったが、強制送還されないか不安を抱えながらの日々、それを黒い鳥として表現している。本文に説明がないので子供には少し難しいかも。自分を含め、日本では移民にほぼなじみがないが、こういう風に生きている人がいる事を知る事が大切だと思った。2023/09/13
ヒラP@ehon.gohon
27
戦争を逃れてフランスで暮らすモナの話。 難民申請が通らない不安感が、黒い鳥なのですね。 国に送り返された友達のことが印象的です。 地につかない気持ちの生活と日常のちぐはぐさと、黒い鳥の象徴性の距離感がザワザワしました。 活字化されない言葉たちも、重要な役割を果たしています。2022/08/25
anne@灯れ松明の火
25
新着棚で。繊細な絵と繊細なおはなし。楽しそうに過ごしているようで、鬱屈を抱えている8歳の少女モナ。その理由は、はっきりと言葉にはしないが、そういうことなんだなとわかってくる。子どもだけでは、ピンと来ないかもしれない。でも、きっと何かを感じるはず。感じてほしい。ラストの「みんな うまく いく」という言葉に、深く頷き、祈る。訳 水橋はなさん2022/08/24
マツユキ
18
学校も、踊りも頑張る8歳の女の子モナは、皆と同じじゃない。モナについてる黒い鳥って何?はっきり書かれていませんが、明るい少女に絶えずつきまとう不安や恐怖が、読んていて、辛い。それでも希望を失わない家族の姿に感動しました。2022/09/14
Cinejazz
13
〝私には、「黒い鳥」がついている。何処に行くときも私についてくる。私が何をしていても、すぐ其処にいる。その鳥は、小さくて大人しいときもある。でも、時々すっごく大きくなって、叫ぶように鳴く! すると、もう何も考えられなくなる・・・〟<モナ>は、お母さん、お父さんとフランスで暮らすために、遠い国からやって来た。戦争をしている国から逃げて来た――。学校はとても楽しくて、友だちできた。けれど、憂鬱な黒い鳥の影がつきまとう、不安な毎日が続いている・・・。避難民家族の寄る辺ない心の叫びがこだまする、大人の絵本。2023/11/26