内容説明
揺れ動く少年の心、迷い戸惑う大人の心。市井の人々の心の機微を、ていねいに描いたねじめ正一の最新作。
著者等紹介
ねじめ正一[ネジメショウイチ]
1948年杉並区生まれ。詩人・小説家。詩集『ふ』(櫓人出版会、1980年)でH氏賞、『高円寺純情商店街』(新潮社、1989年)で直木賞、『荒木の恋』(文藝春秋、2007年)で中央公論文芸賞、『ひゃくえんだま』(鈴木出版、1994年)でけんぶち絵本の里大賞びばからす賞、『まいごのことり』(佼成出版社、2004年)でひろすけ童話賞など多数受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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一笑
10
タイトルは「泣き虫先生」だけれど、商店街の花屋の息子山口卓也を中心にした下町人情物語だった。少年野球を通しての成長物語かと思えば、途中から野球と言うより「詩」の話が中心になり、ちょっとびっくり。登場人物のチビカンやタイトルの泣き虫先生のキャラクターが実にいい。今時こんな人たちいないだろうな思いいつつも、どんどん引き込まれていく。あっという間に読了。なぜ野球と詩なのか疑問に思い、「ねじめ正一」で検索するとねじめ氏自身が野球の経験者であり、野球大好き人間であることがわかった。力道山、長嶋茂雄、僕らの時代だね。2022/06/20
てつろう
7
昭和の時代を彷彿させる下町の商店会や近所の少年野球チーム。そこでチビで監督のチビカンと泣き虫の国語の教師が繰り広げる人情物語、泣き虫先生とはラクビ―で有名ですが、こちらは全国にもいかず、一時期だけ活躍するというごくありふれた物語、それだけに親しみが感じられた。2022/05/25
ちかこ
5
車輪の下って本が本当にあることが分かったので読みたいと思った。 泣き虫先生はずっと教師で居るべきだと思う。 この表示のチビカンがみやぞんにしか見えないけど、見た目みやぞんをモチーフに書いたのかなと思った。 とても心に染みるいい話だった。2025/02/07
ミッチ
5
大人2人と子どもたち3人の野球と音楽を通しての師弟関係がアナログ昭和時代を彷彿させる2022/07/23
なつこうへい
5
昭和時代の商店街の町に少年野球チームがあった。英次、卓也、清田と、監督をしていたチビカン、学校の担任の泣き虫先生…。懐かしくてあったかい人々の物語。卓也と清田が作った詩が凄くいい。2022/05/03