著者等紹介
ソンギヨク[ソンギヨク]
韓国全羅北道高敞郡生まれ。作家・詩人。エッセイ・自伝・ルポルタージュなどについて教えるノンフィクション作家講師としての活動もしている
ペクウンジュ[ペクウンジュ]
ある日前が見えなくなり、視力を失った。お話を書く授業に参加し、ケインについての話を書く中で絵本の制作に至る。現在は、ヘルスキーパー(理療師)として働いている
シンドゥヒ[シンドゥヒ]
イラストレーター
高橋昌子[タカハシマサコ]
ノートルダム清心女子大学勤務。早稲田大学・関西大学大学院・リーズ大学大学院で外国語教育を学び、海外の言語を通した英語授業に取り組む。パートナーとともに日韓青年親善交流事業に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
50
読友さんの感想を読み、図書館で見つけた。白杖を持って歩く少女の表紙。背景の緑がさわやか。目の前に霧がかかったようになり、だんだん見えづらくなってきた少女は、安全のためにケイン(白杖)を使うようになる。視覚に障害を持つ人への心ない対応が少女を傷つけ・・・。落ち込んだ彼女が再び前向きになる過程を、もう少し丁寧にたどってほしかった。でも、タイトルも絵もよかった。2024/01/27
ヒラP@ehon.gohon
29
ケインが白杖のことであると解ったとき、色々なことを考えました。 視覚障害の人は必ずしも全盲ではないことと、何らかの理由で視覚を失ってしまった人たちがいることです。 パラリンピックでは、伴走者なしで走る人たちを目にしました。限られた視界の中で競う人たちです。 でも、日常生活で白杖は重要なサポートをしてくれています。人に、自分が視覚障害であることを理解してもらうこと、不測の状況を未然に防ぐこと。この絵本の主人公のようです。 2021/10/04
がらくたどん
26
地域の点字図書館で点字翻訳のボランティアをしています。そのなかで「目が不自由=先天的な全盲」という誤解が根強い事を知りました。途中失明や弱視が進行して行くタイプの方達の不自由さは晴眼者であった時の記憶が自分にも周囲にもあるために決して軽視できない不安と葛藤を伴うそうです。これは今まで見えていた世界がある時から見えにくくなった女の子が自分の変化を受け入れていくお話。今までできていたことができなくなる不安と憤り、白杖を持つことへの抵抗感、それでも世界を感じて生きようとする勇気。共生への糸口となりますように。2021/09/19
すみっちょ
22
女の子が杖を使いたがらない場面がしばらく続き、無理もないよなぁ…と思いつつ、どうやって歩けているんだろうと思いながら読んでいました。そして訳者の方のあとがきを読んではじめて、白杖を使うのは全盲の人だけではないことを知りました。女の子の「やるせない気持ち」という表現がまさにそうなんだろうなと思うと同時に、きっとお母さんも心を痛めながら見守っていたのだと思い、胸がギュッとなりました。障害がある人も安全でなるべく不便を感じない社会になるといいなと思いました。2024/06/01
マツユキ
20
病気で、徐々に目が見えなくなった少女は、杖を使って、外を歩けるようになったが、周りの囁きが気になり…。韓国では、白杖の事をケインと呼ぶんですね。少女が、自分が目が見えない事を受け入れらまでが、家族の気持ちも含めて書かれていました。読んでいて辛いですが、最後は表紙から受け取った通りの晴れやかさがありました。2021/11/20